戸籍謄本

 1年ぶりくらいにOH井町に行ってきた。 感傷にかられて、ぶらっと来たわけではなく、婚姻届を出すためにOH井町に置いてある戸籍謄本を取りに来たのだ。 サイタマンに引っ越したときに一緒に持って行けばよかったのだが、何となくこっちに置いておいた。 住んでおった証を置いておきたかったのかな。 
 
 婚姻届を出すということは、改めて戸籍を作るっちゅーことで、戸籍謄本が必要になる。 謄本ってさ、筆頭者死んでもそのまんまなのね。 おふくろが作った戸籍だから、筆頭者おふくろのまんまなんだ。 そーいった意味でも、残したかったのかな。 俺自身、ある意味で気軽に 「結婚しようか」 とは言ったけれど、実際動いてみるとだな、それなーりに責任を感じたりするもんだ。 

 50年間、東京に住んでおって、50過ぎてサイタマンにやってきた。 端から見ると、只のサイタマンなのだろう。 住めば都とは言ったもんで、登場線に乗って、越境してサイタマンに入ると、帰ってきたなぁっと思うようになっている。 

 久々にOH井町に降り立ったけれど、人がごちゃごちゃ居る感覚に懐かしさと、地元だという自信が沸いてくるっていうのかなぁ、変だけどそんな感じなんだ。 変わっても、ガキのころから親しんだ街だからな、帰ってきたなぁって思える。 広町、綺麗に無くなっていたね、取り壊すのにあれだけ引っ張っておったのに壊して、次のもんが出来上がるまで早かったな。 四季の劇場と、何かスポーツ施設が出来上がっておったな。 土地の起伏が唯一の名残かな。 商店街も立ち退きが決まっておるのか、シャッター商店と化していた。 俺もちょこっとづつこの街から離れてゆくんだろうなぁ。