See ya

 いやぁ、あっちゅー間に59歳になってしまった。みんな、同じように言っておるが「俺が(私が)還暦になるとは思わんかった!」俺もそう思う。俺たちの代が生まれた丙午が1周回って還ってきたのだ!!まさか、次の丙午がやってくるとは思っておらんかった。でも、やってきたのだ、ノストラダムスの大予言並みにやってきた。だが、来てみると呆気ない。自分の頭上を雲が過ぎ去って行く感じかな、気づいて目で追った時には遠くに行っちまっている。人生なんてそんな感じだな。最近、昔の記憶が少しずつ、消去されておるんじゃないかと思っている、幼稚園よりも前の記憶とか、小学校の頃のうすぼんやりしておる記憶とか!ヤバイな、これが戻ってくるのはボケちまって、脳の根幹が少しずつ減って行き、消える直前に思い出すのかなぁ?怖い怖い。

 そんな記憶を共有した連中と集まった。二人で会うことはあったけれど4人集まるっちゅーのは10年ぶり。ここら辺になってくるとそれなりに顔に皴が入り、髪が少なくなり、白髪が多くなる。当たり前だけれど、ちょっとしたタイムマシーンだ。それに加えて今回は、街並みも変わっておった。俺たちが育った街は、下町であり、がさつであり、大半がふんわりとヤンキーだった。下町というと浅草、足立区近辺を思い浮かべるようだが他にもある。その一つが俺たちが育った街だ。成長期だったから、まぁ街にはガキが溢れかえっておった。いやぁ楽しい時代だよな。令和の連中のことを思うと、不憫でならない。くさるほどに友達いるってことは幸せだ。
 そんな中で、俺たちは知り合い、今も繋がりがある、これも幸せだ。ここまで来たら、逝ったヤツを順番に看取ることになる。

 いつものように駅ビル前で待ち合わせをした。以前なら、いっとはじめに到着しておるオサムが「よっ!」っと言って現れるのがいつもの流れだ。待ち続けても現れんことは分かっておるが寂しい限りだ。オサムが居らんから俺がいっとはじめに到着した。驚いたのが人の多さだ。日曜日だって言ってもだ、多すぎだろう!りんかい線が通るようになって、地元の地代は上がっておったがこれだけ顕著に人が増えておるはビックリだ。どうした?人口減少なんじゃなかったっけ?そうか、東京に人が集まり続けているんだっけ!集まってくるもんもおれば、弾き飛ばされて東京以外に行っちまうもんも居る。俺たちだ。俺も結婚してサイタマンになってしまった。早いもんで9年目になるのか?ここまでくるとしっかり、サイタマンだ。俺も地元は普段から人が少ない、基本じいさん、ばあさんしか闊歩しておらん、ある意味未来を先取りした老人天国の街だ。それと東京から弾き飛ばされた連中と、他県からやってきて東京が高くて住めん奴らだな。東京に居ったとき、金髪やら、鼻ピーしている奴とか、どっか来るんだろうと思っていたら、ここら辺からやってくるんだな。ここにやっけに派手な奴が居るなと思ったらここから東京にレッツゴーだったのね。

 5分前にYKが到着、還暦手前にして早期退職を言い渡されてしまった。きついよな。俺が務めている会社よりデカイから、そーいうこともある。俺のようにとりあえず身体が動けば幾つになっても働いてくれちゃっていいからさという雑食系の職場とは、ちと違う。俺なんかいつ辞めてやろうかと思っている節がある。働かなくて良いのならみんな退職して、桜を見ちゃ「おぉ春が来た」と思い、暑くてしゃーない時には部屋から一歩も出ず、雪降る寒い時も同じように部屋から一歩も出ないような生活をしたいよなぁ、ボケちまうとかいうけれど、俺はやることが一杯あるぞ!!俺に時間と金をよこせ!
 そうじゃないだろ、結婚しちまうと、かみさんの心配もせにゃならんし、老い先短い先に行くであろう親のことも考えなければならない。そうだ、金は必要だ、遊ぶ金じゃなく生活をするための金だ。

 二人そろい駅の出口で待っておると、修行僧のような頭をしておる、デカイ荷物を背負ったおっさんがやってきた。「ありゃ、もう来てたの?俺が17時前には着いていたんだけれど」「着いてたよ」その姿だと、俺は分からんかったかもしれな・・・NK。そしてもう一人はlineに既に連絡が来ており、到着30分遅れるとのこと。まぁ想定内。

 さて、どうするか?「ぶらぶら周辺見てみるか?」最近の地元はどんな感じよ?そういえば、俺らが住んでいたアパート群がなくなり、かなり経つ、劇場が出来、中途半端期を抜け、本決まりの建物が出来たようで、駅前にタワーマンションが出来上がっていたような気がする。この街にタワーマンションは似合わねぇと思っているのは、俺たちだけで世間はそんなことはこれっぱかしも思っちゃいないようだ。取り残されるのも寂しいが、変って行くのも寂しい。

 大通りを抜けず、脇道をするすると入って行く。ここら辺は地元だ、知ってる道だ、でも微妙に変化しておる。角にあった古いビルが新しいビルに変わっておったり、入っているテナントが変わっておったり、歩道が自転車置き場になっておる。不法駐輪、不法駐車は許されんからな。そしてそんな車を押し入れる時間貸しの駐車場に変わっていた。いつも思うが他愛無い場所に愛着があったりするんだ、本屋や、デパートほっつき歩いて、やることもなくなり家路に帰るときにふざけながら歩いた道のりだ、そこが変わっていると本当に寂しいを通り越して悲しい。その風景がなくなることは二度と肉眼では見れないってことだ。心の中にしかもうないってことだ。

 小学生、中学生、多感な時期と、しこたま歩いた商店街に出る。そこから俺たちが住み、遊んだ団地群があった場所が見える。そこには見覚えのない高層ビルが建っておった。ブルジョアな方々が住んで居られるるんでございましょう。鼻水垂らしたガキどもが闊歩していたとは思いもせずに窓から景色を眺め、コーヒーを飲んでいるのかもしれない。
 振り返ると、ここを離れてどれくらい経つんだ?中学二年だったから、48年くらいになるのか、そりゃ風景も変わるであろう、このノスタルジックな思いは、傍から見ればいい迷惑ってことだ。

 日曜日だってこともある、居酒屋で飲むにしてもそこそこ混んでいるのかなぁ、俺は酒を飲まないからあまり場所にこだわらない。まぁ良いんじゃねここでって感じで場所を選択するが酒飲みにしてみれば、それはよろしくないことなのかもしれないな。商店街沿いにある適当な居酒屋に入った。こんなとこあったっけ?と思うような場所だ。ELVに乗り込み3階で降りると多国籍の店員さんのお出迎え、どこの街に行ってもそんな感じであろう。学生っちゅーものが少ないのだから、学生がやるであろうアルバイトが少ないわけだ。俺らが若い頃はそんな学生がわらわら居った、それがわらわら居る多国籍の方々に変わったってことかな。以前は多国籍の人が居るとこは、上野と決まっていたけれどな。

 先を見ている年齢じゃなくなると、何気に会話も弾まない。当たり前だよなぁ、そこそこ先が見えてきているのだ。お決まりごとの「最近どう?」ってとこから会話が始まる。俺の中ではYKの近況が心配だった。俺が何をしてやれるってことはないけれど、聞いてやることは出来る。だから、何だよって感じだよな。オサムが死んだのが俺自身のちょっとした岐路だった。俺と同じであっさり死んじまった。俺自身も、その可能性を秘めている、まぁ今日集まった連中は同じように可能性を秘めておるんだよ。健康診断が良かったからと言って長生きするとは限らない。突然、逝っちまうんだよ。これはギャンブルの法則と似ているのかもしれない。なかなか当たらないけれど、時々当たる!!
 俺自身は、ぼんやりと病気で死ぬんだろうと思っている。それほど長生きする家系じゃないんだよ、だから、そこそこのところで逝くんだろうとは思っている。看取ってばっかだから、俺はベッドから見舞いに来る連中を見て、看取られたいんだよ。

 YKから「仕事あるか?」って聞かれたから「仕事はあるけれど、歩くからね、きついよ」と答えた。俺の会社は最後のライフガードみたいに考えてくれればよい、絶対、仕事はあるからさ、でも、最後の最後よ。
 NKは十代のころからコツコツと努力した賜物、俺らと遊んでいるときも、「これから講習があるから」とか言って去っていったものな。相変わらず、話に落ちはないが、昔ほど長くなくなった。これも歳のせいか。こいつは誰もが知っとるネームバリューのあるとこに居る、ある意味安泰。同じ生き方は出来そうにないから、うらやましいとは思わない。
 そんな取り留めのない話をしておったら、遅れてKYがやってきた。相変わらず、デカイ!我らがリベロ!ふと思うと、元気にやってるかなぁっと頭に浮かぶヤツ。小学校から一緒なのだから、長い長い付き合いである、共有している世界観が多すぎる。同じ街に住んでいるときは、毎日のように会っていた。歩いて戻れる距離って大事だな、当たり前だけれど。

 世界観の共有は関係を身近にする。十代のころは主に学校関係だな、そっから近い世界っちゅーと職場になる。ある意味四六時中居ることになる、だからと言って友達の関係というわけではない、それこそ腐れ縁である、仕事の関係がある限り、切っても切れないが仕事が切れると一緒に切れるもんだ。友達は違う、他の世界観に関係なく継続してゆく不思議な関係だ。夫婦も不思議な関係ではあるけれどな、これも各人関係性は似ているようで違うんだと思う。

 オサムは10年前にかみさんと別れておった。うーーん、何故に言わんかったのか?時々、ぼんやりと考えるが答えを出すべきパーツが少なすぎて答えに至らん。だから、お前が死んだときにすったもんだしたんだよ!それが分かっておったら下らん遠回りをせんで済んでいた。まぁお前も死ぬとは思わんかったのだろうがな。
 オサムが亡くなった折に元かみさんと接触した時が答えを聞き出せるチャンスだったが、顔見知りであるけれどもという程度では、そこまで切り込むことも出来ん。まぁもう会うこともないであろうから、俺が死んだときに直接会って聞く以外に術はあんめい。人それぞれ自分自身で判断し、行動する訳でそれに関しちゃとやかく言うことは出来ん。致し方ない。

 最後に俺たちがよー遊んだ、団地群の形の果てを確認に行った。全部が全部無くなった訳ではない、団地に隣接するように建っておった工場が残っておる。そして通称電車区!いつも電車から見えていたし、自転車飛ばして遊びに行ったし、直線をバイクで吹っ飛ばし練習した。昭和は良い時代だったよなぁ、ガキどもが自転車、バイクで乗り込んできても誰も注意せんかったもの、今だったら入り口は封鎖され、入ったら警察を呼ばれかねない!
 工場の入り口は奥の方に申し訳なさそうに下がっていた。今でも車両の修理やメンテナンスをやっているんだろうか?アパートの目の前が職場って!こんな良い環境ないよな、笑っちまう。窓を開けるとみんなが住んで居る窓が見える。今頃飯食ってんのかなぁとか、俺が気になるあの子は今は何をしてる!とか、ありゃこんな時間までこの子起きてるよ!とか見れる。思春期の俺たちにとっちゃ刺激的な日々だった。そんな日に戻ることが出来んというのは何とも寂しい、皆そんな日々を通り越してくる。若くて血気盛んな頃には、振り返る何ちゅーことはしないんだけれど、歳を食うと昔懐かしの日々を思い出す。このアパートは未だに夢に出てくるんだ。
 今も変わりなく残っている景色におっさんは目を輝かせるのだ。これからもこの街並みは変わり続けるのだろう。昔のようにレスポンス良く動くことは出来ないし、閃きも少なくなった、若い頃に比べっと我慢が出来るようになったか!歳食ってもうれしいこと、楽しいこと、そして悲しいこともある。次の機会も変わりなく会おう。

夢に出てきた・・・

 久々におやじが夢に出てきやがって、鮮明に顔を思い出したよ。前回思い出したのは、おふくろが死んで間もなくだった。俺の直接的な血筋はおやじ一人だから、頭が懸命におやじの顔を思い出させたんじゃないかと思っている。今回もまた、鮮明に出てきやがったから、ついに親父も死んだか!っと思ったんだ。ここではおやじと称しているが、俺がおやじを呼称する場合は、「くそおやじ」と表現している。かみさんのお義母さん「止めなさい」と言われているがこれだけは直す気がない。

 かれこれ、40年近く会っていない。最後に会ったのは地元で駅への商店街を闊歩しているときにくそおやじに出くわした。成人式ちょい手前だった。「おやじ」と声を掛けて、一瞬誰だか分らなかったようだ、間を置いて「mirohiか」と言った。このパターンはその後、ばあさんとこれ又、10年ぶりくらいに会った時にも出くわすことになる。そん時はズバリ!「誰だか分らないよ」と言われた。さすがにボケている歳じゃなかったから、俺自身も面食らった。その時の救いは隣に一緒にいたおばさんが「mirohiだろ」と分かっていてくれたことだ。

 くそおやじの話に戻ろう。声を掛けた後、くそおやじと飯を食いに行ったんだ。「何を食いたい?」と聞かれたから、あまり好きでもないステーキと答えた。少しでも高いもんをおごらせてやろうと思ったのだろう。街中にある小さなレストランで、食いたくもないステーキを食った。くそおやじもステーキを頼むかと思ったらスパゲッティミートソースだった。財布の中身と相談したのだろう。その頃は新しいかみさんと一緒に暮らしていた。
 「そろそろ成人式だろ」「あぁ来年」とか答えたような気がする。そして「成人式にはネクタイを送るからな」と言って、別れた。想像つくだろうがくそおやじからネクタイは届いていない。あれから40年近く経っているが絶賛募集中だ。そろそろ棺桶に入るから送られて来ても良い頃だ。

 俺には義母兄弟がいるから、くそおやじが死ぬと財産分与の関係で自動的に連絡がやってくるはずなのだ。相続する気はないが、腹違いの弟には会ってみたいと思っている、まぁ相手に会う気があるのならだけど。確かめたいことがあるから連絡を心待ちにしておるんだよ。

ちょっと思い出したこと

 「俺が死んだらさ、俺の亡骸を引き取ってもらいたいんだ」北米大陸を北極圏のギリギリから徒歩で行こうと計画をしておったときにOに頼んだことだ。保険の受取人をお前にしとくから、よろしくみたいに言ったんだ。「わかった」と快諾してくれた。その時、ちょっと不思議に思ったのが「家族が居るのに快諾していいのか?」と思った。その時、既にかみさんと別れていた訳で、その快諾の意味は今となっては理解できる。不思議なもんで俺の方が先に死ぬ予定だった。なかなかの無謀な冒険を計画しておったから、帰って来れるとは考えていなかったからね。なぜ、そんな計画をやろうと思ったのか?家族も居らんし、自分自身がやりたいことをやろうと思った訳だ。「家族居ないじゃん!これって自由?」と気づいた時の俺のアホな浮かれっぷりは想像出来よう。

 「北米のどっかで死んじゃったら、誰にも見届けられないんだぜ?それで良いのか?」ってOから質問された。俺は別段迷っていなかったから「俺自身がそこに居たという証は残る」とかそんなことを返答したと思う。これも家族居らんから言えることだが、そこにその瞬間まで俺はそこに居たのだからそれを俺自身が分かっていれば良いのだ。だったら亡骸そのまんまにしときゃ良いじゃんと思うが、俺としちゃ、その場所に置いて行かれちゃうそこから離れられないと思っている、ある意味地縛霊みたいなもんになっちまうってことかな。回収したら川でも海でもいいから流してくれ、そうしたら死んでも冒険し続けられるからと、カッコいいことを恥ずかしげもなく言っていたのだ。困ったもんだ。
 今から考えると、保険に入っておっても、そんな訳の分からんことをやったもんに保険が下りる訳がないんだよな。

 思い返すと、Oはみんなに見取られながら死んでいったんだよ。一人で死ぬことは望んじゃいなかったんだから、ある意味で思っていた通りだったのかなと思ったんだ。望んだタイミングじゃなかったとは思うが、最低限の望みは叶ったってことか。ちょっと不謹慎か?
 Oが死んで、俺の人生も後半戦に入っていることを自覚した。ここまで来ると、1年1年が早いぞ!10年なんてあっちゅー間だ!ある程度、動けるうちに好きなことはやっておかなきゃ駄目だなぁっと思っている。リタイヤしてからとか思っていると、金はあるかもしんないが、身体が動かない、死んでるかもしれない、かみさんが居らんかもしれない、明日、南海トラフ大震災がやってきて、家族が俺以外全員死んじゃうかもしれない。人が想像出来るもんは現実に起こることらしいからな。

 今、この瞬間に思いつき、それをやった方が良いと感じたことはやった方が良いんだよ、でも若いころみたく、考えなしに動くことはできない。かみさんが居るからな、ある程度は計画的に行動せんとな。 

All right Tokyo! Are you ready?


 なーんとなくチープトリックが観たくなった。フェアウェルツアーに惹かれたわけではなくなーんとなく観たくなった。チープトリックって何気に楽曲良いんだよ。ビートルズに影響を受けておるというのは知っているけれど、俺としちゃビートルズよりも取っつき易かったんだ。昔懐かしのミュージックライフでグラビアをよー見ておったこともあったしな、当時はアイドル扱いされておって、俺自身は、KISS聴いたり、ヴァンヘイレン聴いておったりして興味がまるっきりなかった。ロビン・ザンダーの扱われ方も気に食わんかったしな。長いスパンで洋楽を聴いておると、まぁ広く広く聴くようになる。ある意味で雑食性だな、何でも聴く。ロックに始まり、ジャズも聴くし、ブルースも聴く、クラシック、ファンク、俺の耳が好きだって言えば邦楽でも聴く。そんな訳で俺んちにあるCDの裾野は果てしなく広く、部屋を陣取っており、整理に困っておる。

 そして、何故かこの歳になって又、ロックを猛烈な勢いで聴くようになった理由は去年観に行ったビリー・ジョエルだ。前から3列目になんぞに鎮座して観ちゃったもんだから、後光の差したビリーにビビットきちまった。4万数千人のおっさん、おばさんを感動させるんだからさ、凄いよな。改めて俺はビリー・ジョエルが好きなんだと今更ながらに再認識してしまった。そして、4月に観たシンディ・ローパー、ビリーのVIPチケットの後遺症だな、S席2万円安い!と思ってしまうんだよ、かみさんから「感覚おかしくなってるから・・・」と、ぼやかれているけれど、気にすることもなくS席×2枚お買い上げ。そしてチープトリックは16000円なり、更に安い!と相成る。

 チープトリックっていうと、俺のバンド仲間のハードロック信者が好きだと公言しておって、そーいった意味でも印象に残っていた。ロン毛にグラサン、ブーツとハードロックやってまっせ全開の彼がチープトリックのファンを公言しておった。確かに俺もハードロック好きのビリー・ジョエル好きである。何だろう、ギンギンの音とのバランスを保つためにその手のもんを聴かなければいかんのかもしれんね。まぁ軽い軽い気持ちで観に行こうと思った。かみさんに「チープトリックって知っている?ほら、愛聴盤のコンピレーションアルバムの中に入っておるFrame歌っているバンド」と言ったら「行く行く」とのこと。そんな訳で、まだ、前回使用したudoプレミアム会員を利用しチケットをポチっとした。そして、思ったとおりアリーナのチケットがやってきた。ロックの神様、今回もありがとう。

 チープトリック好きだといっても、にわかファンなのだ。予習をせにゃならん訳だ。ライヴに観に行くに際して予習は絶対に必要だ。曲知らんかったら十二分に楽しむことはできないからな。そんな訳で復習をする。今までもそんな感じで見に行ったバンドはある、ホワイトスネイクとかジョーン・ジェットとかそーいう観方をすると、完全に乗り切れんという不完全燃焼が起きる。俺が確実にフルコーラス歌えるのは、ビリー・ジョエルとヴァンヘイレン位なもんだ。歳も食ったし、一生懸命覚えようとしても覚えれるんというありさま。逆に十代の頃に覚えたバンド名とか、メンバーとかしっかり覚えておるという幼稚園児のような状態だ。チープトリックのメンバー、ロビンを筆頭にリック・ニールセン、トム・ピーターソン、ドラムだけカルロスとしか思い出せんかった・・・でも、しっかり覚えておったよ。

 このところ武道館づいておる。春にSNSなどで「九段下にじいさん、ばあさんが集まっておるから何かと思ったら、エリック・クラプトンのライヴだった」とか、シンディ・ローパーだったとか、これからもその手の投稿が見られるであろう。温かく見守ってほしい。如何せん、その年代は中途半端に金を持っておるから、足元を見られるんだなぁ、みんながみんな金を持っている訳じゃないんだからさぁ、チケット代も含めてちゃんと考えて値段設定してよ!そんな訳で小雨降る中グッズ販売に並んでおる。かみさんとライヴに行くようになり、Tシャツを買うことが慣例になってしまった。16:30グッズ販売開始、前回シンディ・ローパーの時は16時に待ち合わせてそっから買ってCafe33で軽く飯を食って出撃した。今回もそれで行こうと思い、同じ時間に待ち合わせしたら!!既にかなりの客が集まっておる。前回はこの時間武道館の回廊をワンコーナーで済んでおったところツーコーナー以上並んでおる、こりゃあかん。かみさんにCafe33で待っておるように言って、俺は最後尾へすたこらっさっさと並んだ。不景気だから転売ヤーが買って、メルカリンやらヤッホーで転売するんだな、以前チケット持っていないと買えなかったよね?違ったっけ?ビリーの時は13:30発売だったから俺達が行った時にはプログラムと謎のスノードームが1つだけしか売っていなかった、でもTシャツは持っておる、何故に?udoが気を利かせてネットで再発したんだよ。お陰様でペアルックで持っておる。

 1時間40分ほど掛かりTシャツを2枚せしめた。買おうと思っていた武道館限定Tシャツは俺の数人手前で売り切れた!他の物もサイズによっちゃ売り切れておった。ロゴの入った黒いTシャツと白いメンバーの写真が入ったTシャツを1枚ずつ買った。開園10分前ミッション終了。回廊の屋根が無くなった瞬間、何故か雨が強く降り始めるという日頃の行いの悪さ、振り返ると武道館の回廊には俺が来た頃と同じ人数が並んでおる。君たち遅いのだよ、多分、プログラムしか買えんであろう。ファン心理とは恐ろしいもんで、ビリーの時、湯飲みが売り切れるのは、まぁ理解できるが、ビリーの顔がない謎のスノードームが売り切れるのだ!!せめてスノードームでもと思うのだろうか?あれか、Tシャツの数を少なくしておいて、儲け率の高いプログラムを売ろうって魂胆か!!

 Cafe33には無事にTシャツをゲットした連中が既に着込み出陣前の軽食を楽しみ、今晩のライヴについて語らっておる。「買えたよ」襟足から雨が入り込み肌寒い・・・かみさん、黒いロゴのTシャツを選択、さっそく着込む。にわかファンの出来上がり!!

 さてさて、皆さん準備はよろしいですか?武道館に突っ込みますよ。前回はシンディ・ローパーの時は1階スタンドの最前列だった、あれはあれで観易い席だった、前に遮るもんがなくステージが見える。武道館は良いよね、どっから観てもそこそこ観れるから、ドームはねぇアリーナ以外はスクリーン観るしかないからなぁ。
 アリーナはさぁ、アーティストを盛り上げるという責任を担っているのだ。そのライヴが盛り上がる盛り上がらないを決めるのはアリーナーの盛り上がり加減なのだ。でも、還暦過ぎの連中がゴロゴロ居る客席、ライヴの長丁場を乗り切るのはなかなか大変のだ。若いころは声枯れるまで叫んじゃうぜ!首を振り振りしちゃうぜ!隣の席のヤツなんか気にしない拳をブンブン振るっちゃうぜ!と思っていたけれど、長丁場しっかり立っていられるか?「立て!立つんだ!ジョー!!」と段平の声が聞こえてくる。

 ステージを見渡してみると、ギミックなしのシンプルなステージだ。予習として最近のチープトリックのライヴをyoutubeで確認しておった。シンプルなロックバンドのステージだった。最近じゃあんま観ることが出来ない昔ながらのライヴって感じ。最近、後ろにでかいモニター画面を背負って演奏するのが普通になっているから、チープトリックのようにライティングにアーティストというのはロックバンドって感じで逆に好感を持てる。モニターは設置されてないかと思っていたけれど、両端にモニターが設置されていた。youtube見たとき、かみさんに言ったんだけれど、「もしかしたら、爆音なんじゃね」ビリー・ジョエルシンディ・ローパーと奇麗に纏まった音を聴いておったから爆音大丈夫かなとちょっと心配になった。

 オープニングSEが流れ始め、AC/DCのLive Wireが流れてきた。「おぉAC/DCじゃん」と言ってもかみさんにはわかる訳もなく、周辺誰もノーリアクション。ビリー・ジョエルの「地獄のハイウェイ」と同じリアクション。そして暗転!さすがリック、これで攻めて始まる訳ねと一人ほくそ笑んでいた、爆音への期待は大きくなった!

 All right Tokyo! Are you ready? Please wellcome CHEAP TRICK

 大歓声のドーーーーォンと共に爆音でリックのギターがカキ鳴らされた!! そういえばグッズ売り場に並んでいるとき、リハの音が爆音で流れていたじゃないか!「おぉぉぉぉ!! リーーーッーーク!!」俺、絶叫!俺だけはリックを観ているぜ!! かみさん、いつの間にやら王子のファンになってやがる。ここに来て、新たな王子ファンを開拓したぞ!かみさん面食いだからねぇ、しゃーないが、ロビンも既に70過ぎのおじいちゃんですよ、でも周りに居られる淑女の皆さんからちょっと太くなった黄色い声援が聞かれる。やるなロビン。

 リックが老け込んじまったことがちょっと不安材料であったけれど、ガンガン弾いている、ちゃんと弾いてる!大阪じゃちょいと手抜きだったと書き込みがあったが、そんな感じじゃないぞ、本気だ!後から知ったんだけど、オープニングのAll right Tokyo!のMCは1978年の武道館の時のMCらしい、知っていたら興奮したろうに、今更、At 武道館を聴いてもなぁというのと、上り調子のチープトリックを聴いてフェアウェルツアーを観るのもなぁと思ったのだ。

 しかし、オープニングの Hello there はカッコいいな、紳士淑女の皆さん、ロックする準備どうだい?って曲、実際は、坊ちゃん、嬢ちゃんロック出来るかい?って感じなのだろう。老舗のロックバンドは、お約束がある。良いねぇ。
 そして、ここから5曲、 At 武道館を再現するのだ。これも後から知った、予習不足ですなぁ、林先生に怒られてしまうな。

 気持ち良いなぁ久々に爆音のライヴ聴いた、昔いつもこんな感じだった。隣にいる連中に大声で喋ってさ、そして、ライヴ終了すっと大声で喋る。良いね良いね。昔ながらのロックンロールバンドやってますって感じ。残念なのがオリジナルメンバーのバン・E・カルロスが居らんことなのだ。改めて聴いて、めちゃくちゃ上手いんだよ。音も良いし、スネアの入れどころが絶妙なのだ。バンド内の事情により、メンバーとして名前は残るけれど、ライヴに参加しないということになってしまった。そして、リックの息子が叩いているんだ。カルロスの音抜けの良い軽快なドラムから、ドッスンバッタンのドラムになった。多分だけれど、ハード路線をリックが進みたくなったのではないか?と思っている。オープニングSEでAC/DCを掛けるぐらいだからな。俺個人的には抜ける軽快な音の方がこのバンドには合っていると思うんだ。

 お約束のリックのギターチェンジもある。ギターテクニシャンがリックのところに行って交換するって感じ、普通におじいちゃんがギターを抱えてとぼとぼ歩いているんだけれど、演奏は最高!!いやぁ上手い!百戦錬磨のロック業界を生き抜いてきたんだから上手いのは当たり前だのクラッカー!

 そして、気にかけておらんかったトム。映像や写真を見ると多弦ベースを使っておるのは知っていたけれど、12弦ってことなんだ。普通は5弦か6弦だ、計算が合わんのだよ。そしたらガットギターのように2弦ずつ張っての12弦だった。チューニングがオクターブで貼ってあるから、弾くとオクターブコードが鳴るって寸法。すげえな、弾きづらくってしゃーないように思うけれど、ライヴで実際に聴くとその効果は覿面で、ぼわ~~んっていう低音がビンビンに唸ってボトムをしっかり押さえている。ちなみに今回、キーボードとかのSEも、まるっきりないからギター、ベース、ドラムだけで音を出している。At 武道館の再現だな。

 俺たち、私たちちゃんと観ているからって感じのライヴ。ロビンは高音に苦戦していたけれど、一生懸命歌ってくれていた。リックもリップサービス満点だし、トムは終始ニコニコしながら楽しそうにプレイしていた。リックの息子も頑張っていた。そしてロビンの会場に向けての投げキッス!かみさん曰く「やっぱり王子だねぇ」だってさ!

 21曲をほぼ、休憩なしで一気に走り切るライヴだった。ロビン、リック、トムの3人は70半ば過ぎだ。200歳越えだぜ、カッコいいよなぁ、只のロックバンドだもん。フェアウェルツアーと謳っちゃいるけれど、チープトリックはライヴは継続するんだ。日本でのライヴはフェアウェルってだけで、2日後にはアメリカでライヴをやっているんだもの、カッコよすぎ。とっても良いライヴでした。

 そして、ライヴが終了し、館内に流れた曲は It's a Long Way to the Top これ又、俺だけ大興奮!!

 今更ながら、At budokanを聴いています。あの70年代の猛烈なエネルギーをもう一度!!

 

2025年 10月 1日 武道館


1. HELLO THERE/ハロー・ゼア

2. COME ON, COME ON/カモン・カモン

3. LOOKOUT/ルックアウト

4. BIG EYES/ビッグ・アイズ

5. NEED YOUR LOVE/ニード・ユア・ラヴ

6. CLOCK STRIKES TEN/今夜は帰さない

7. AIN'T THAT A SHAME/エイント・ザット・ア・シェイム

8. ELO KIDDIES/エロ・キディーズ(

9. HIGH ROLLER/ハイ・ローラー

10. THE BALLAD OF TV VIOLENCE (I'm Not the Only Boy)/ザ・バラッド・オブ・TV・ヴァイオレンス

11. CALIFORNIA MAN/カリフォルニア・マン

12. TWELVE GATES/TWELVE GATES       

13. I KNOW WHAT I WANT/アイ・ノウ・ホワット・アイ・ウォント

14. ON TOP OF THE WORLD/オン・トップ・オブ・ザ・ワールド       

15. OH CAROLINE/オー・キャロライン

16. THE FLAME/永遠の愛の炎

17. I WANT YOU TO WANT ME/甘い罠

18. SURRENDER/サレンダー

(ENCORE)                                

19. AUF WIEDERSEHEN/サヨナラ・グッバイ

20. DREAM POLICE/ドリーム・ポリス    

21. GOODNIGHT/グッドナイト

又、10年使ってやるぜ!!

 Windows11への入れ替え本当に直前にパソコンの電源ユニットがぶっ飛んで、新しいパソのHDDを連結して使おうかと思ったけれど、ちゃんと載っかられるか怪しかった。だとすると電源ユニットを交換し、とりあえずはデータ摘出出来るようにするべきだと思った。今までの傾向で、HDDを新しいパソに載せるのが一発で行ったことがなかったからなぁ、だとしたら生き返らせた方が良いだろうと思ったわけだ。
 400Wのオールラウンダーの電源を買って装着しようと思ったら、ボードへの電源供給プラグが20本だった!!マジか!ここまでやって本数間違えたかと愕然としながら前の電源に戻していた。参ったなぁジャンク品の中から拾ってくるしかないか・・・と思いながら、ケースを見たら20本+4本と書かれているじゃないか!もう1度本体を確認すると同ケーブルに4本があるじゃないか!!こいつをつければ合計24ピン!!又、開き直して装着!前のパソで配線の組み換えは何度もやっているから手慣れたもんだ。スイッチ・オン!!祈るようにモニターを見つめたよ、お馴染みの画面が出てきた、よっしゃーー復活!!

 昨晩、新しいパソも届いた、セッティングは又、後日っちゅーことで。モニターも20年ぶりくらいで買い替えたかな。やっと横長のデジタル端子のモニターに変わったよ。又、10年使ってやるぜ!!

2006.11.28 Tokyo Dome, Tokyo, Japan

 このところ俺は、ダースベイダーが暗黒フォースに呑みこまれてしまうのとちょいと似ている。別に俺がダースベイダーになる訳じゃなくって、暗黒フォースに飲み込まれる部分っがね。 
物事が悪い方に転換するのは、その人自身の物事の捉え方、受け止め方でしかない。目に見えないものに犯され始めると、自分自身で作ってしまった感情に支配されてしまう。これを防ぐために言葉ってヤツがあって、相手に伝えたり、助けたりする訳だ。 
 自分だけの世界に入って行くっていうのは、F1の300キロの世界と一緒で視界がどんどん狭くなってくる。そして些細なハンドルの操作ミスで事故に繋がるのだ。 

 石に躓いて手を突こうと思って、手を痛め、のた打ち回っているところに婆さんが運転するチャンリンコが突っ込んで来て轢かれて 「このクソババア!!」 とか思って振り返ってみるが轢いた婆さんは何事もなかったように過ぎ去ってゆき、しばし呆然としていると、子どもが投げたボールが頭に当たって痛てぇなぁとか思っちゃたけれどガキに言ってもしゃーないなぁと、こんな誰に当たることが出来ないことがことが積み重なってゆくとだな、精神的に参ってくるんだよ。 

 そんな時にビリー・ジョエルの来日が決まった 「行くぞ、絶対行ってやる!」 と一人青年の主張をした。ビリー・ジョエルだったら、調子を悪くしているおふくろも行けるだろうと誘ってみた。
おふくろを誘うんだったら、地元おやぢロッカーズも誘ってしまえと誘ってみた ビリー・ジョエルだから食いつき悪いだろうなぁっと思ったら、そうでもなく「行く」との返事であった。

 そして、30歳を過ぎてからのおっさんの悩みは、本心からライヴが楽しめなくなって来ているのである。ガキの頃はライヴの日を指折り数えて待ったもんですわ!まだかなぁまだかなぁ状態である 見たって変わりゃしないライヴのチケットを出しちゃ引っ込め出しちゃ引っ込めしていた。 純粋に楽しめなくなっちゃっているのかな、嫌だねぇ汚れた大人って!!

 久々の東京ドームである。 野球にまるっきり興味がない、馬もやらんし、遊園地にも行かん俺にとって、東京ドームはライヴ観戦の場所でしかないのである。
 クリスマス直前だから、周辺は煌びやかな様相を醸し出している。いつからなのかねぇ、イベントもん先行先取りで飾り付けしてゆく傾向っていうのわ? 何かにつけ早めにやんなきゃ心配性な国、日本 ヤダヤダ。

 俺が歩く半分以下のスピードで、おふくろがついてくる。これが結構大変なんだ、意識が考え事に向かってしまうと、いつの間にやら歩くスピードが早くなっちまって、おふくろ、遥か後方彼方状態になってしまう。こーいう部分に接すると「おふくろ老けたなぁ」ということを実感する。

 おふくろもビリー・ジョエルは2回目である。 前回は横浜アリーナだった、あそこはキャパも音響も悪くない。10年前、阪神淡路大震災間もなくの来日だった。大阪公演は確か中止になったんじゃないかな、ビリー自信も風邪で調子悪いって事で、1時間半でサバサバと終わって帰ってしまった。

 ご無沙汰だなぁビリー・ジョエル。 実質的にニューアルバムは10年以上出していないんではないか?確かぁ 「リヴァー・オブ・ドリーム」から、俺は買った覚えがないし、このアルバムはあんま聴いていない!
 ニューアルバムを出しちゃいないが知名度あるぜ!というアーティストは決まって何枚も何枚も何枚もベストアルバムを出す。こーなってくるとだな、金は儲かるけ~どぉ アーティストとしての格は下がってく~る。
 コアなファンは、ベストなんぞを持たんでも、全アルバムを持っているもんなのだから!まぁアーティスト本人にも契約の問題があるから、出さにゃならん問題もあるだろう。 
 ベストアルバムにエサのようにして、新曲を数曲括りつけるのだけは止めてくれ!そのために買わにゃならん。 

 そして、来ねぇ来ねぇと思ったら、7年間ライヴ活動をしておらんかったのね。その間にピアノコンチェルトなるアルバムをぺろっと出している。買おうかなぁという興味はあったんだけれど、街中のCDショップで一度も見かけたことがない!どーも、ビリー・ジョエルの新譜として扱われてはいないようである。 
 
 それが今年の夏、いきなり「ムーヴィン・アウト」なるミュージカルのアルバムがショップに並んでおった。ビリーおやぢの顔が載っている? ムーヴィン・アウトっていやぁ 「スレンジャー」に入っている曲じゃないか?手に取ってみると、やっぱビリーの曲を使ったミュージカルのようだった。ビリーおやぢ、結構忙しい日々を送っていたんじゃないのかと自己完結した。 

 ライヴチケットも手に入ったし、復習も兼ねて「イノセントマン」のCDを買おうかなぁとか思って、ビリーの棚を物色していたら、見たことねえアルバムを発見した。「12GARDENS LIVE」 

 ジーパン刑事の殉職ではないが「なんじゃこりゃ?」新譜ノーマークだっただけにエジプトで新たな遺跡を発見した吉村作治の気分であった。

 選曲を確認してみると、マニアックな選曲である。シングルカットされていない曲が入っている。「おぉぉこれは!」っていう曲なんだぁ。 
 端から見ているとラックから取っちゃ引っ込め取っちゃ引っ込め「こいつ、買うの迷ってやがんなぁ」っていうが一目瞭然だ。 
 手に持っちゃ選曲堪忍してぇ、ジャケットをジーーーーと見る、棚に戻して、別なアルバムを見て叉、手に持っちゃ選曲堪忍してぇ棚に戻してぇという行動を何回も繰り返しておった。金もねぇくせに「買っちゃえもぉぉぉ!!」っと、勢いに任せて買ってしまった。

 家に帰って、喜び勇んでターンテーブルに乗っけてみた。1曲目の 「プレリュード」のピアノソロが気持ちぎこちない。7年ぶりのカムバックは隠せないなぁというが第一印象で「マイアミ2017」に関しては「ソングス・イン・ジ・アティック」で披露されているものとは同じマディソンスクェアガーデンで披露されているとは思えないほど、色が褪せていた。 

 この音を聴いた限りでは、期待は出来ない。ビリーも50を過ぎてしまっているしゃーない、しゃーないよなと、自分自身を納得させていた。漠然とだが「俺はどんな気持ちで、ビリーを聴きゃ良いんだ?」というのがある。 

 そして、2006年11月30日 ビリー・ジョエルツアーの初日での出陣となった。

 ガメラの甲羅のような、デカイドームの周辺は煌びやかなクリスマスを象徴するモールが、どこといわず、そこといわず輝いている。世界が止まったとしても、愛があればこの世は天国と迷いなくお互いを見ることしかない恋人連中にとっちゃ最高の季節である。寒かろうが暑かろうが「あなた」だけ居ればそれでいいのよという空気が漂っている。
 いかん、早くドーム内に入らなければぁ、この無償の愛光線にやられてしまう!!!

 周辺を見ても、いつものダフ屋が居らん。さすがに今回のビリー公演は、ちょっとばっかチケットの捌け具合が悪いとは聞いていた。いつものダフ屋通過がなく、あさっりさっぱりとドーム内へ吸収された。行ったら2階スタンドガラガラっていうのもありだなっと思っていた。 

 ドームにて、地元おやぢロッカーズと合流。中坊時代から一緒ちゅーのわ、隠し事無しだからいいねぇ 一人はいつものお約束、昼まっから良い具合に酒が入って「いつでもいいぞぉ! 掛かって来ーーーい!!」状態であった。 

 2階スタンドに着くと、やっぱ思ったとおりガラガラだった。これは、ガラガラの時のお約束 「前に行っても良いよ」ってヤツだなと思いながら席に向かう。 既に到着している、もう一人のおやぢの後頭部発見! 後姿を見ただけですぐ分かっちまう。「よぉぉ!」っといつもの挨拶。 

 そして「バックネット裏だったら席移動できるってさ、どうする?」っと来たもんだ 願ったり叶ったり、渡りに船!!今回、外野をメインステージに持って来ている。ある意味一番深いところがバックネット裏って事だな。

 こりゃ思っている以上にチケットの捌け具合が悪かったのか 確かにライヴをやるときってさ、ニューアルバムを出して、さぁライヴツアーに出発出発! みんなぁ待たせたなぁという状況でやって来るもんだ。それに今回、対抗馬として エリック・レイラ・クラプトンが居ったからなぁ 悔しいが日本じゃ、クラプトンの方が分が良い。でもNYじゃ負けへんで~

 客層は、そのまんまノートパソを拡げて仕事を始めそうな連中ばっかだった。それに野郎専有率90%でおました。 うーーん マンダム!
 そんな感じだから、他人行儀な感じなのだ。ライヴを観るぜぇぇ!!っていう雰囲気じゃなかった。 

 「何を言ってんだい 僕たち大人だよ」あはーんみたいな感じ? 

 このところ、80'Sのライヴを足蹴に通って分かったんだが、ちょっと歳行っちゃてるなぁというアーティストは定刻でライブをおっ始める傾向にある! 傾向があるって事は、そーするべき訳があるんだろうけれど、それがなんであるかあえて突っ込まない。

 1曲目、「12GARDENS LIVE」 のライヴと同じ プレリュード で幕開け! 
おぉおぉーーーピアノソロが流れるように弾かれている! もしかして絶好調か?俺の中で嬉しい裏切りである。  
 あんりゃ? 1階スタンドみんな立たないの? 全員着席状態にてスタートしてしまった。 
「何を言ってんだい 僕たち大人だよ」 あはーんみたいな感じ? 

 俺の中で 「もしかして、ドームのスタンドってスタンディング禁止になってんの?」とか考えてしまった。着席ライヴ?

 そんな考えとは関係なくビリーのボーカル、ピアノ共々最高潮だった。 前回の横浜アリーナよりも良い気がする。ビリーも「みんな、安心したかい? 今日は楽しんでいってくれ」という余裕さえ感じた。
 
 俺の中のライヴで絶対に聴きたいっていうのは「マイアミ2017」なんだ。「12GARDENS LIVE」では気の抜けた 「マイアミ2017」 になっていた。頼むからホールの反響を利用してCDなんかじゃ味わえない臨場感を感じさせてくれ!! 

 そして、3曲目 「マイアミ2017」 重々しいイントロからビリーのボーカルが入って行く!

 Seen the light go out Brodway ♪ 

 そうそう、この感じなんだよ  BILLY IS BACK!! お帰りビリー!!

 俺自身は、どんどん気分が高揚して行くのが分かる。思い出の一部として聴いているんじゃないんだ、今のビリーを聴いている。 

 全員着席「何を言ってんだい 僕たち大人だよ」あはーんみたいな感じ?が相変わらず1階スタンドを縛っていた。 俺は着席のまんま、足でガンガンリズムを取っていた。せっかく、10500円払って観に来ているんだよな、条件はみんな一緒だ、楽しまないと損だよなぁ。

「何を言ってんだい 僕たち大人だよ」 あはーんみたいな感じ? 

「何を言ってんだい 僕たち大人だよ」 あはーんみたいな感じ?


 駄目だぁぁ!!! 我慢できねぇ!!!

 「踊る大捜査線」 で、和久さんが爆弾を装着されたリクライニングシートに座って身動きが出来なくなって爆弾処理が出来ずにいて、我慢できなくなり「いいかぁ!! 俺は立つぞ!!」と言って立ち上がるのと同じだ。もぉぉぉ!!我慢なんねぇ。

 隣のおやぢに 「立ちたくねぇ? 俺は立つぞ!!!」 と訳の分からん宣言をしてから一気に立った!! 曲は キーピング・ザ・フェイスだった。

 気持ち良いぃぃぃぃ!!! 誰も周辺立っていない1階スタンドにて立った。 後ろの席には悪いが我慢が出来んから立った。

 普段、前後左右観客がワーワー言いながら立って、壁の役目をしているから音がダイレクトに届かないんだ。 音が鮮明に耳に入ってくる すげぇ俺のためにビリーが歌ってくれているような感じだ!! 気持ち良いすんげぇ気持ち良い。真っ暗なプールを一人で泳いでいるような感じだ。

 ライヴは既に後半戦に入っていた。 心が肩まで浸かっている、手を前に差し出せば掴めそうな感じだ。1階スタンドだっていうのにねぇ もぉ座る気なんか全然なかった 俺のビリーが帰ってきたぁ!!!

 そして事件は起った!

 ジャジャジャン ♪ ジャジャジャジャン ♪ と、どこかで聴いたことがあるリフ! 

 隣にいたおやぢが速攻で反応した!「AC/DC!!!」と叫びながら立ち上がった!

 なんと、AC/DCの 「地獄のハイウェイ」である 
 俺たちおやぢ衆3人だけ大騒ぎである!! ビリーは基本的にロックンローラーなのである 日本じゃどーも、エルトン・ジョン辺りと一緒の扱いを受けているような感じがあるけれどね。 

 脇から飛び出すように太っちょのローディーが歌い始める 

 Livin' easy livin' free ♪ ♪ ケヴィン・ダブロウ? 声がそっくりなんだ!
 
 帰ってきてから掲示板で確認して、分かったんだけれど「ギターテクを20年やっている彼にもチャンスを与えようじゃないか」とビリーが言って、ケヴィン・ダブロウもどきが出てきたらしい 俺はよー分からんかったけれど。

 いやいや観客ドン引きだった ビリー・ジョエルを聴く耳を持ちながら AC/DCを聴く耳を日本人は持ち合わせていない。 
伊藤政則がアリーナ席で、ビリーを観ながら感涙に咽び泣くようなもんだからなぁ 言うまでもないが1階スタンドでノリノリだったのは、うちら3人衆だけだった。 

 うちの一人が 曲が終わって 「ボーーン!!!!」 と絶叫して着席してしまった あまりの潔さに笑った。 

 周辺に居る観客には「ボンって、一体誰?」という謎だけを残して・・・・・・・・・・・。

 ハプニングが用意され、本当に久しぶりに気持ちが有体離脱することなく、リスナーとしている事が出来た。 つるっぱけになって、体もさらに丸っこくなってしまったけれど、相変わらずのロックンローラービリー・ジョエル乾杯なのだ!!! 

 「何を言ってんだい 僕たち大人だよ」 あはーんみたいな感じ? そんなのクソくらえだ! 


 ROCKしようぜ ROCK!!!


2006.11.28 Tokyo Dome, Tokyo, Japan

01. Prelude/Angry Young Man
02. My Life
03. Miami 2017
04. Everybody Loves You Now
05. Honesty
06. The Entertainer
07. Zanzibar
08. New York State of Mind
09. The Stranger
10. Just The Way You Are
11. Allentown
12. Don't Ask Me Why
13. Movin' Out (Anthony's Song)
14. An Innocent Man
15. Keeping The Faith
16. She's Always A Woman
17. I Go To Extremes
18. The River of Dreams
19. Highway To Hell
20. We Didn't Start The Fire
21. Big Shot
22. It's Still Rock and Roll To Me
23. You May Be Right

24. Scenes From An Italian Restaurant
25. Piano Man

文系読書

 10数年フィクションを読んでいないと思う。俺の中で読書はノンフィクションと決めておったのだ。何故にノンフィクションか?以前も書いたかもしれないがこの世界に溢れかえっておる書物をこれから先のすべての時間を使っても読み切ることは出来ん、だったらエリアを決めちまえば良いんだと思った。フィクションは限がないから、ノンフィクションのすっかと思ったのが始まりだ。哲学書もまだ読みたいもんもある、科学の分野もさっぱり分からないけれど興味がある、事件ルポなんぞはこの世界で起きていることを読み解く場合に不可欠な分野だな。そんなことを考えてゆくとノンフィクションってことになるのだ。

 しかしだ、歳を食ってくるとそーいうもんばっか読んでおると行き詰まるんだ。このまま行くと面白くねぇじじいになるんじゃないか?と思うんだな。58歳になって仕事をメインに考えることは止めにした。これから先それほど長くないと思っている。俺の家系はそれほど長く生きない。これは分かっているんだ。そして、大きな意味での癌家系ではあるけれど、絶対に癌になる家系ではない。しかし、頭系の病気になるのは分かっている。パーキンソン病は極めて高いと思っている。だからといってボケるという訳ではない、何だろう、考えた末に行き詰まる系だな。それもかみさんと結婚することでかなり緩和されている。うちのかみさんは絶対に諦めない系の人なのだ。付き合うようになって影響は受けていると思う。そんな影響は本にも出ている。

 俺とかみさんは趣味が似ておる。映画を観る、音楽を聴く、そして本を読む。接点は似ておるが趣味が違う。映画に関しては俺の好きな映画は時系列バラバラな映画!それを観ながら時系列を整えて「あぁなるほど!」っていうことをするのが好きで、かみさんは嫌い、この手の映画を俺が観るときは解説をしながら観る。ちなみにかみさんはハッピーエンドが好き。如何せんの俺の根底にはタクシードライバーが居座っておるからな。
 そういう訳で、かみさんは文系の読み物が好きなのだ。特に時代劇かな。俺の嫌いじゃない、嫌いじゃないけれど、歴史小説といった方が良い、そんでもって幕末物。これかみさん嫌い。

 長々と話をしてしまったが、そう、久しぶりに文系の本を読んだ、文系といってもスティーブンキング。一筋縄ではいかん作家。かみさんが苦手な作家だな。何故、スティーブンキングなのか、職場にあったからだ。そんな単純な理由。だからといって職場の誰かが読んだ本かというとそーいう訳ではない。俺が拾ってきた本を自分のロッカーの中に長いこと熟成させておったのだ。2年くらい熟成させておったかな、ふと思って読み始めてみた。題名は「任務の終わり」
 これ「ミスター・メルセデス」って本の三部作の完結編。拾ってきた本だからね完結篇でも文句は言えない。上下巻で600ページちょっとだった。一気に読んでしまった。やっぱスティーブン・キングは面白いな。確かに昔のような切れ味は無くなったかもしれないけれど、現代作家の中では今でも群を抜いて面白いと思う。それが証拠に未だにスティーブン・キング原作のドラマ、映画が作られておるんじゃん。

 それと、出てくると人物のキャラがしっかりと立っておるというのが一因だな。確か配信ドラマでこのシリーズはドラマ化されておる。本を読んでおるとその世界観にどっぷりと浸かることが出来る、これが出来るか出来ないかは作家の力量に掛かっている。優れた作家は世界観、キャラ、ストーリーが突出しておる。出来上がった映像を観てドラマに浸ることも良いが自分自身が配役を充てて世界構築してゆくのも読書の楽しみってもんだ。やはり小説は小説でしか表すことが出来ないものが存在し、それは時間、場所を選ばすに俺たちのその世界に誘ってくれる。キングはやっぱ面白い。