デェ~ロッ!!

 去年から今年にかけて、何回目かのクイーンブームがやってきた。 だが、今回のが一番デカイ。 ブームの火付けについては、どれだけ各世代のゼネレーションを巻き込んでゆくか? っちゅーことが重要だ。 映画の興行収益にしても、本の売り上げに関してもそーだ。 どれだけ多くの世代が知っておって買ってくれるかがブームを牽引する原因である。 一つの世代に受け入れられたもんは、スタバやマックで、ひっそり話題になってお終いだったり、もうちょい拡散するとネットの話題になり、ヤッホーニュースになったりと、その度合いによって扱われ方が変わってくるんだな。 テレビで扱われた頃にゃ、近所のおばさんが知っているレベルだ。 大ブームってことである。 

 今回のはデカかったねぇ、ネタ元が映画だからな 「ボヘミアン・ラプソディー」 ママミヤのあれ。 クイーン フレディーの数奇な運命と副題をつけても良かったな。 

 ガンダムや、ドラゴンボール、スター・ウォーズは、新作が出て各ジェネレーションにアプローチをかけて、新作によって、新しいファンを確保し、金を集金し財団を維持するわけだ。 しかし、新作が出ない場合は、なかなか難しい。 死んじまって、ネタがないのに新作を作り続ける場合もある。 まぁ音楽が一番多いよな。 有名なヤツでは、ジョン・レノンか。 死んでから小出しにアルバムを出しておったな。 ネタ切れと見えて、ベスト、リマスターの発売が顕著になってしまっておる。 頑張れ、オノヨーコ。 マイケル・ジャクソンも可愛そうに財源確保のネタ元になっておる。 もう1、2枚新作と称してアルバムが出てきそうだな。 プリンスもこれから頻繁に出てきそうな感じだが、エピックと仲たがいし、版権を持っておらんから原版からリマスターが出来ないのは痛いなぁ。 どんなに頑張っても、原版からリマスターせんと良い音は確保できん。 

 さて、今回の映画、ボヘミアン・ラプソディーであるが、オープニング、ライヴ・エイドに向かうメンバーのシーンから始まる。 はっはぁ終着点は、ここだなっと分かる。 それでも、ステージの袖口か見える観客のシーンは、なかなかの圧巻である。 映画を見る前にライヴ・エイドをおさらいしておったから、この映像がないことは判っておる。 この映画で使われておるライブ・エイドのシーンは、すべて改めて撮り直したことが伺える。 個人的にちょっと残念なのが、そこまでやるんだったらライヴ・エイドそのまんまのアングルで撮ってもらいたかったんだよなぁ。 

 こーいった部分もそーなんだが、映画としての部分のこだわりなんだろう。 変な話だが、前評判で泣ける! と謳われておったから、いつ泣けるいつ泣けると身構えちまったよ。 結局最初っから、最後まで泣けんかったよ! なんだろう、知りすぎておったから、「おぉこー持ってきたか」 とか 「こーするか」 とか思うほうに気が行ってしまい、結果純粋に感動は出来んかった。 

 それでも、細部にわたり、よー出来ておる。 バリライトを使ったステージの再現。 閣下の着る衣装の再現、バレエのポーズ最高!! ボヘミアン・ラプソディーのプロモ撮影も、ロジャーが左側に傾いておるのまでちゃ~んと再現。 そして、閣下、ブライアン、ロジャー、ジョン役の頑張りだな。 ブライアン、ジョンは、クリソツだった。 特にジョンの上目遣いとちょっと猫背が絶妙だな。 4人ともステージアクションに関しては、よー頑張ったね。 

 さて、俺が何故に感動出来んかったか? それは、事実の方を重んじてしまっているからなんだろう。 映画だと、ライヴ・エイドの演奏は急遽決まり、ライヴ活動もしておらんかったってことになっておるけれど、実際は、レディオガガツアー終盤じゃなかったっけ? 仲も悪くなかった。 クイーンってさ、大人のバンドだから、喧嘩はしないんだと思う。 なーんとなくメンバーと会わなくなって、妙な空気になることはあっても、言葉に出して悪くなることはないんじゃないのかな。 

 クイーンが実際、結束するのは、ONE VISIONからだ。 そこからもう一つのドラマがあり、終焉に向かってゆくのだ。 だからといって、映画が悪いといってる訳ではない。 映画としては、良く出来ている。 閣下のバイセクシャルの苦悩。 名曲誕生のエピソード。 ウェンブリー・スタジアムの俯瞰からの映像。 
 クイーンを深く知らない人にとっては、ライヴ・エイドが終わった先を想像しながらエンディングを見るわけだ。 そこで、涙するんだろうなぁ。 そんなこんなで、俺と彼女もクイーンブームに踊らされ、日々クイーンを聴いておるわけです。 

 それで、今更判ったことなんだが、ブライアンのギターが計算された音作りだったということに30年以上掛かって判ったよ。 ブライアンのギターの音をはじめて聴いたとき 「何て、腰の抜けたギター音なんだ!」 と思った。 その頃、ディストーション、ギュイ~ンのKISSの音ばっか聴いておったから、受け付けなかったんだね。 改めてクイーンとしてのアンサンブル、オーバーダブしたギターの音を重ねる場合、あの音じゃないと何をやっておるのか、さっぱり判らんことになる。 あのバイオリンのような音だから、重ねると、ストリングスのような感じになるんだな。 あの音は、かなり苦心して作り出したんだろうなぁっと通勤電車の中で気づいたよ。 すまん、ブライアン・・・。