地獄の復活!!

 このところちょっとしたメイク時のKISSブームが到来している。 俺のロックの原点ここにありって感じだ。 ここ数年、昔の作品を再びリマスターされておる。 ペイジおじさんが、金を稼ぐために再び、リマスター始めて焼き直しが始まったからだと思う。 リマスターは、音が大きければ良いというわけじゃなく、レコードに如何に近づけるか! というお題を出してきた。 そーいった意味で、ペイジおじさんは、ギターリストではなく、プロデューサー、コンポーサーとしての力量のほうがあると思っている。 
 ブームに乗り遅れないKISSも当然、ブームに乗り、以前のへなちょこリマスターから格段の進歩をした。 前のリマスターは、ピーターや、エースのトラックをいじくっちまって別もんの綺麗な綺麗な音楽にしちまった。 まぁ確かに二人とも上手くはなかった、でもさ、トラックをいじくっちゃ駄目だよな、そりゃ詐欺ってもんだ。 

 NAMAZONで、地獄の軍団の別ジャケを発見した! 4人の破壊者が揃い踏みの画なのだが、色もなーんとなく違うし、絵図らも凝縮されたような気がする。 Destroyer-Resurrected と書かれておる。 良ー見ると、プロデューサーのボブ・エズリンによる、マスターテープからの再リミックスと書かれておる! 何を今更、地獄の軍団? なんだろう、KISSの初期のアルバムの持っている邪悪性と、色気を感じるのだ。 冗談のような本気! 

 書き込みを読んでみても、昔っからのKISSファンにも受け入れられている。 「まるで、別物・・・」 うーーん、聴いてみてぇー!!! 

 KISSは、ガキっぽいロックと言われちゃいるけれど、初期のKISSは、ホンモンだったと思う。 なんといっても、なりあがってやろう! という勢いがレコードのプレスに刷り込まれておったものな。 ジーン・シモンズは、違っていたかもしれないけどな。 俺は、地獄のロックファイヤーから入ったんだけれどな、地獄の軍団で、成功を得たあとに発表されたアルバムで、ツアー中に書かれた曲だから、荒々しい。 地獄の軍団は、緻密に計算されたアルバムだ。 デトロイト・ロック・シティのオープニングのSEは伝説だな。 あのキーをガチャガチャガチャとやる音は、リアルだよな。 その音を再び、聴けるのか!!

 クロネコさんより、Destroyer-Resurrected が到着し、速攻開封し、聴いてみたぁぁ!! 皿をシンクに入れるような音と共にラジオの音が流れ、鍵を回すガチャガチャ音・・・デロデロデロデロデロ デデデデデン♪ 来ましたよ!!! ピーターの太鼓の音が歯切れ良く聴こえてきた! おぉ重低音だよ、重低音!! アナログの音をデジタル化すると、スカスカになっちまって、ドカンと来る重量感と、レコード独特のナチュラルエコー感を如何に出すかというのが問題だ。 すげぇーちゃんと消化されて、リマスター版として成立してまっせ! デトロイト・ロック・シティの爆発音に被るように入ってくる 暗黒の帝王!! カッコイイ!! ポールの声も、荒々しく張りがある。 

 そして、雷神!! ガキンチョ声が劈くように入ってくる!! 良いねぇ良いねぇ、誰がつけたか知らないが、当時の邦題は、センスがあるよな、God Of Thunder を雷神だものな。 アルバムについていた対訳も、センスがあった。 

 俺がこのアルバムで、一番気に入っているのは、デトロイト・ロック・シティでも、雷神でも、燃えたぎる血気でもなく、悪友Kの好きな、暗黒の帝王でもなく、ドゥ・ユー・ラヴ・ミーなのだ! 

 単純な、ピーターのドンチャンドンドンチャン ドンチャンドンドンチャン から、始まるあの曲だ。 調子ぱずれで入ってくるポールもカッコイイ。 これも、ボブ・エズリンの作戦なのだろう。 プロデューサー自身がその作品をリマスターすることが、レストアされ、新たな命を吹き込むのだということが判る、良い例だな。 地獄の復活である。