メンチ定食

 俺んちの周辺って、辺ぴなんだけれど、食うとこがそれなりにある。 ゆで太郎があったり、すき家があったり、老舗の店があったり、イタリアン料理があったりする。 でも、殆どというか、全然食いに行っていなかった。 自分で、適当のこさえて食うことに慣れてしまって、食べに行くことをせんかった。 

 でも、最近、ちょっと出てみようかなぁっと、思うようになった。 ゆで太郎と、すき家の間にもう1軒店がある。 純粋な定食屋さんなのだ。 隣がコンビニで、行っちゃー気に掛けていたんだ。 なかなか入る機会なくって、入り口に書かれた手書きのメニューをチラ見していた。 

 今日は、連休だったから、飯を強引にこさえる必要もない。 そーだ、俺が自炊しておる訳って、弁当を作るからだった。 そんな訳で、入ってみた。 カラカラっと、引き戸を開けると、カウンターがあり、テーブルが3つ位かな、18時位だったから、2人しか客は居らんかった。 「いらっしゃいませ」 と、おかみさんと、息子さんなのかなぁ、二人で切り盛りしているようである。 定食屋に入ると、一途はじめに頼むのは、決っている。 「すみません、メンチ定食」 

 右手の人は、刺身定食のようだ。 左手の人は、見えないから判らない。 カウンターに1品もんが乗っかっている。 肉ジャガ、冷奴に目がいったが今日はやめた。 カウンターにコップと、ポットに麦茶が入っておった。 「本日のおすすめ ミックス」 ミックスフライ定食がサービスのようだ。 「セルフサービスで、お願いします」 と書かれておる。 コップに麦茶を注いで、飲む。 美味い。 

 この手のとこに来た場合、スポーツ新聞を片手に入ってくるのが定番なのだろうが、俺は、スポーツ新聞を見る習慣がないから、なかなかの手持ち無沙汰。 こーいうとこで、自分の世界を作れる人に憧れるよな。 メニューを見たり、店内を眺めたりしておったけれど、お上りさんみたいだったからテレビを見ることにした。 

 5分ほど待ち、メンチ定食がやってきた。 キャベツ山盛り、ポテトサラダに味噌汁。 残念ながらメンチは小さいのが2つ。 メンチにソースをかけ、定食だと、キャベツもソースだろ。 まずは、味噌汁。 長ネギの味噌汁だね。 さて、メンチを食う。 揚げたてだから、あつあつだ。 肉汁ジュ〜じゃないけれど、まぁ定食屋さんのメンチである。 小さいメンチで、ごはんを食うのは、少ないメンチで、ごはんを大目とおいうバランスになる。 時々、ポテトサラダで食う。 確かに1品料理を頼まんと、間が持たんなぁ。 

 食っている間に3組ほど、客が入ってきた。 左手のお客さんが、プレートを持ちながらレジに向かう。 「ごちそうさま」 なるほど、こーいうシステムになっているのね。 来るお客さん、みんな、メインの定食を頼み、1品料理を頼むという感じだ。 次回は、そーしよう。 

 しっかり、箸休めまで食って、プレートをもって、レジへ向かう。 「ごちそうさま」 「ありがとうございます 600円です」 安い。 

 食い終わって、外に出ると、梅雨が明け、逃げない暑さが残っていた。 今度、叉、来よう。