俺は、一つしかもっていない

 おふくろがガンになって、ガンという病気に詳しくなった。 治療過程を聞くと、どんなもんか想像がつく。 俺の上司のガンの治療は、抗がん剤治療に移行した。 俺の記憶では、肺ガン治療に抗がん剤を投与しても、完全に取りきる事が出来ないと記憶している。 
 右側の肺を取り、左の肺にガンが転移している。 その左の肺は、長年の喫煙のため、コンデションがよろしくないらしい。 そのガンに対して、抗がん剤を投与している。 3週間に1度の投与ということは、まだ、軽めの抗がん剤が使われている。 この抗がん剤も、長く投与する事が出来ない。 ガンに態勢が出来るため、違う抗がん剤に変えなければならない。 抗がん剤が、身体に合うかどうかということもある。 これは、投与してみないとわからない。 当然、副作用もある。 ガンと身近になると、ネットに数限りなく、如何わしい薬、民間療法が漂っていることに気がつく。 何が正しいかは、分からない。 迷わないことだと思う。

 長く、抗がん剤治療に耐えるためには、体力が必要なのだ。 摂生した生活、食事管理と、なるべく物事を気にしないようにして、生活をするべきなんだと思う。 一人で、背負い込まず、なるべく人と会うようにするべきだと思う。

 決断しても、しなくて、時間は過ぎ去ってゆく。 使ってしまった時間のことは気にかけてもしようがない。 今、この時間のことを考えるべきだと思う。 逃げずに正面を見据えると時間を捕まえる事が出来ると思っている。 俺は、不安を持っている人にかける言葉は、一つしか持っていない。 「大丈夫、大丈夫だから」