風立ちぬは、見ちゃいないが

 日本における、負の歴史ってヤツは、なかなか本当の事を見せてくれない。 その歴史が、江戸時代とか、明治時代とか、それなりに時間の経過があるのなら、そりゃ、よー分からんのも理解出来るが、戦前、戦後の高が70年ほどの時間である。 それが、よー判らんことが多々あるのだ。 まぁ、誰かが隠したんだろうなぁ。 特に天皇に関することは、なかったことにしてある位に隠してある。 あぁ、隠蔽だな。 それくらいに判りづらい。 
 
 それと、日本のちゃんとした戦後教育がされてこんかったから、戦争=悪いこと。 これは、いい。 だが、触れちゃいかん事のように扱われている。 これが、軍国主義だった頃の日本の歴史を判りづらくしている。 それと、周辺国の面倒な連中が、ちゃちゃを入れるっちゅーのかな? 日本で、しっかりと、処理すっから待ってろよ! って感じだ。 ここ数年のゴタゴタで、俺自身も、周辺国のイメージがとにかく悪くなったっていうか、奴等は嫌い、大嫌い!! こーなってくると、喧嘩と一緒だな。

 今年、宮崎駿の 「風立ちぬ」 が上映された。 これ、零戦の設計者、堀越二郎を主人公にした映画。 何かと多方面で話題になった。 主人公の堀越二郎庵野秀明があてている。 まぁーこれが、CMでもアフレコのもどきのシーンを見たけれど、全然合っていないのだ。 何故にここに収まったかなぁ? というのが、世間一般の印象だ。 ソフト化するときにB面ということで、声優を差し替えたバージョンをボーナスで入れたほうが良い。 個人的には、佐々木蔵之介にやってもらいたい。 

 宮崎駿の映画のお蔭で、零戦設計者、堀越二郎にスポットが当たった。 それにより、復刻版として、幾つかの堀越本人の書籍が出た。 巻末の解説を読むと、「風立ちぬ」 の事が書かれており、それを狙っての復刻であることが窺える。 確かにこの映画がなければ、俺自身も零戦の設計者の本は、読まんかったであろう。 「零戦 その誕生と記録」 どのようにして、零戦は生まれたか? ということを設計者自らの言葉で、語られている。 数年前、GHQに回収されたと思われていた、零戦の設計図が出てきたんだよね。 隠し持ってでも、その設計図は、残しておきたかったのだろう。 日本が、その時代、どのようなもの作り、何をやったか? 

 俺自身も、歴史の一編素通りだったし、印象に残っているのは、映画や、ドラマのワンシーンでしかない。 確かに神として、天皇が居り、軍人国家で、諸外国に進行して行かなかったら、物資が不足し、国民を食わせてゆくことが出来んかったことは、判っている。 すべてを知るためには、時間も掛かるし、書物も読まなければならん。 ウィキペディアで、得たもんじゃ、まるっきり足りんのだ。 
 読んで思ったことは、戦争というのは、技術を目まぐるしく発展させる。 まず、企業という壁がなくなり、ボーダレスになる。 どこの企業も、一つになって、戦争に加担する。 これは、良い事ではないが、企業が協力し合い、一つの物を作り、研ぎ澄まされたものを作り上げるということだ。 極限までも追い込まれた日本は、欧米に劣っておった技術を飛躍的に向上させる。 笑ったのが、当時からアメリカは、物量作戦と、パワーで押すタイプの飛行機を作っておった。 日本は、その盲点をつき、重量を軽くし、パワーで押さず、スピード、旋回力、長時間飛行で、勝負した。 
 アメリカが、日本を統治した時、兵器に関するデータ、731部隊、そこら辺の喉からてが出るほど、欲しかったデータを持っていった。 731部隊の連中が何故に裁判に掛けられずにのうのうと歩けたのか? アメリカとの裏取引がおこわなわれたからなのだ。 ここら辺のことは、本とは関係ないね。 
 そのときに零戦の設計図も、持って行かれてしまったのだ。 色々な思いがあって、隠し持っていたんだろうね。 これを読むと分かるが、日本って国は、昔っから、物を作ることに優れているんだ。 これは、誇るべきことだなぁっと思った。 そして、欧米からの物資を停止され、兵器が作れなくなり、特攻に向かってゆくのだ。 大林信彦監督だったかな。 「日本をこんな姿にするために一生懸命守ったんじゃない」 と言っていたのを思い出した。 必死の思いで、守った日本を俺たちは、踏みつけにしてんじゃないか? っと、思うときがある。