大人の遠足 その7

 しかし、大阪城には、ガッカリであった。 マジにちゃんと調べておくべきだった。 まぁ、これで名所を一箇所つぶしたということで、良しとしよう。 大阪城は、遠くから眺めるのが良い。  

 ここから、大阪府庁まで、ちょっと距離があるかなぁっという印象をもった。 俺の手元にあるのは、大阪城でもらった簡素化されたマンガちっくな地図が一つである。 よく右端に書いてある縮尺の距離を測るために100mと書かれたもんが付いておらんから、距離が分からん。 しかし、大阪城周辺の四つ角に駅が一つずつある。 うーーん、親切なのか? 平日のせいか、人が居らん。 府庁ってさ、都庁と同じようなもんだろ? 新宿にある都庁ってさ、観光地化されておって、ちょっとしたもんだよ。 新宿という街自体が、ちょっとしたもんだけれどさ、周辺に人が居らんのだよ。 だって、隣はさ、大阪府警なんだよ、東京で言うところの 「相棒」 で、よく出てくる警視庁みたいなもんじゃないのか? ちょっと、比べちまうなぁ。 

 ここで、出力をあまり使ってしまうと、大切なライヴに残しておく出力がなくなってしまう。 如何せん、おっさんである、瞬く間にパワー不足になってしまう。 時間を気にせず、遊ぶなんちゅーことは、かなり昔の話さ。 今は、プリウスのようにエコモードで、活動しておるのだ。 

 大阪城から見て、場所を粗方、確認した。 お堀の周りを素直に進めば、着く予定だ。 ネットで調べ、概観は、こんな感じ? と、頭に入れて探しておった。 「あれ、これかな?」 という建物があったのだが、ちゃうなっと、思い通過して、先に進んでしまった。 目的地に向かう場合、一番やると、面倒なパターンが目標物を通り越してしまうっちゅーヤツだ。 進めど、進めど、されど到着せず、じっと、地図を見るっとなる。 結構距離を歩き、「もしかして、通り過ぎた?」 と、気づき引き返す。 しかし、大阪は、黒塗りスモークの車が多いなぁ、流行なのか? それとも、それ系の方々が多いのか分からん。 しかし、人とすれ違わん、平日の月曜日だぜ、普通だったら、書類を取りに来たりする人たちで、ごったがえすんだけれどなぁ、不思議だ。 

 やっと、目的地、大阪府庁に到着する。 ブラック・レインで、ガサ入れにゆくときに警察のバスが出てくる場所から入っていったんだけれど、あまりの小ささにビックリした。 これもあれか、リドリーマジックの成せる業か? ビデオじゃなくって、フィルムで撮影すると、カメラマンと、監督の頭の中に出来上がった映像に掛かっている。 どーいう風に出来上がるかが分かるのは、両名の頭の中のみである。 優作が 「スモークの炊きすぎじゃないか? と思ったが、出来上がると丁度良いんだ」 と、リドリーマジックについて語っておったな。 いやぁ、誠に趣のある建物である。 当の昔に取り壊されちまったOH井町の駅も、東京駅っぽくて、好きだった。 こんなローカルな駅の割りに天井も高く、外観も好きだった。 
 中に入ると、立て付けの悪そうな扉に今に割れそうなガラス、機能しているのかと疑ってしまったが、ちゃんと、府庁として動いておって、書類手続きについて書かれた説明がされておったりした。 正面入り口の前が、吹き抜けになった階段になっておった。 これ叉、小さい。 この狭い廊下を優作、健さんマイケル・ダグラスが闊歩したのか? さぞ、狭かったであろう。 ロケ地をどー料理するかは、監督力量に掛かっておるんだろう。 
 大阪府庁が見れて、俺個人は、感動しておった。 Hは、どうかはちょっと分からんかった。 改めて、リドリー・スコットの監督としての才能を感じた。 今一度、俗っぽい映画を撮ってくらんかなぁ、大作ばっか撮って、リドリーらしさを感じん!