バーチャル

 俺んちのビジュアル環境は、以前に比べると、格段に進歩した。 ネットは、ギガになったし、テレビは、ケーブルで、CSが見れる。 録画は、HDときてる。 最近まで、アナログビデオだったことが嘘のようである。 19インチのちっこい液晶ではあるけれど、音はデジタルである。 こんだけの環境をだな、家ん中に持ち込まれてしまうと、映画館に行かなくなってしまうのは、ある意味で理解出来る。 が、所詮は、バーチャルなんだよな。 映画の持っている本質はまるっきりないのだ。 当然、大きな画面、ちっこい液晶なんかじゃ勝負出来ん音響システムがあり、独特のざわめきがあり、時間の共有がある。 
 それに最近じゃー、世界各国からネットにアップするもんだからさ、日本で上映前の作品も平気で見れるようになっちまった。 上映タイミングずれて、遅れて日本に入ってくる作品は、大概、アップされるね。 本国で、先にソフト化されちまうんだもの、しゃーない。 スカイフォールも実は、アップされたもんを見たのだ。 見て思ったのは、「大画面で見たい!」 というこだ。 なんでもかんでもそーだけれど、バーチャル化が、受け入れられた時点で、本家は徐々に死に絶えてゆく運命になるんだろうなぁ。

 音楽ソフト、映像ソフトは、商売として成り立っている、本も徐々にではあるけれど、侵食されている。 パソコン自体が仮想だよな。 それを追ってゆくと、テレビの出現がそれの始まりということになる。 本も、電子書籍になると、読み方が変わってくるんだろうなぁ。 長編も、抜粋して、読み、自分自身の読みたい箇所が検索によって可能になるんだろうなぁ。 まぁ、データ収集や、勉強活用には使えるが、実務的ではない。 本を読むという行為ではなくなる。 音楽も、単品売りがされるようになり、アルバムとして聴かれる事はなくなりつつある。 断片の好きな箇所、好きな部分だけを見る、聴く、読むようになるんだろう。 

 CDもなくなり、書籍も、いずれ消えるんだろう。 CDショップが消えつつあるように本屋もなくなるのか。 寂しいな。