五十の舞 その3

 天気は、快晴! 北風ピープー!! 用意は良いか? いいぞ! ドンと!来いとまでは行かないけれど、準備はOKだ。 10年使った年季の入りまくったMP3プレイヤーは立川で駄目になったから、新しいヤツを買った。 今回、初陣だ。 使い勝手が悪いのか、説明書を未読で使い始めた俺が悪いのか、思った通りの順番で再生できず、何か出るかは玉手箱。 今、耳に流れているのは、ジャーニーの定番エスケープ!! 年明け早々に期間限定販売のリマスターが出て、思わず買っちまった。 以前買ったヤツは、リマスター前のヤツで、「何故にこんなに音が小さいんだよ!」 と、思いながら聴いていた。 今回のリマスターは、ガツンと来る良い音だ。 ニール・ショーンのギターは、改めて聴くと、良いよな。 ハードロックの教本のような弾きっぷりだ。 スティーヴ・スミスのドラムも好きだ。 スタインバーガーのペコペコ言うベース音も、このアルバムには合っている。 そして、なんといっても、スティーヴ・ペリーのボーカルだな。 詩の内容は、ベタだったけれど、なんといってもソウルフルなボーカルだ。 みんな、田舎のローカルバンドみたいな風貌だったけれど、誰も作りえない音だった。 

 曲は、ボーナストラックのライヴ盤 「ドント・ストップ・ビリーヴィン」 からだった。 このアルバムで、個人的には、「キープ・オン・ランニン」 と 「エスケープ」 が好きだ。  キーボードのジョサン・ケインが、入らなければ、ここまで垢抜けした音にならなかったのだろう。 マニアック部分が消え、ポピュラーになった。 産業ロックと言われていたけれど、テクニカル部分はなくしていない。 外見は、最後まで垢抜けせんかったな。 

 思ったいたよりも、早くスタートラインに辿り着いてしまった。 前回は、30分くらい掛かった覚えがあるが、勘違いだったのかな。 ロンTにTシャツにロングスパッツ、いつもの格好である。 人壁の中に収まれば、多少は寒さを凌げるかと思ったが、北風は、人と人との隙間を突いて身体に突き刺さる。 それでも、立川のレースをこなした辺りから、寒さに耐性が出来てきた気がする。 身体をひたすら動かしている。 周りのランナーを見ると、俺と同じように重ね着が大半で、時々Tシャツのみと、透明なウインドブレイカーを着ている。 これだと、ゼッケンが見えるし、暑くなったら脱げる。 ウインドブレイカー着こじまうと、それにゼッケンをつけるから、脱げないんだよ。 透明っていのは、良いよな。 以前は、マラソンシューズは、ミズノ、アシックス位しか見んかったが、今じゃアディダス、ナイキ、プーマと何でもござれだ。 買い手と売り手が居る市場はメキメキと商品も進化する。 ここ数年のマラソン関連は、カンブリア期並だな。 

 スタートラインに立つのは、ギリギリまで遅いほうが良い。 そして、出きれば、風が当たらんところに居たいもんだ。 そんな気持ちとは、裏腹に何故か30分前に着いてしまいコース上で、コザックダンスを踊るはめになった。 周りの連中も寒いんだろうが、それよりも楽しさ爆発っぱい。 前に居るカップルのおねえちゃんの方は花粉症らしく、やたら鼻水をかんでおった。 俺はギリギリ大丈夫だった。 前回の時は、花粉症ヒットだったから給水のたんび、クシャミしておった。