五十の舞 その4

 そんなことを思っていたら、耳から流れるトラックは、REOスピードワゴンになっていた! REOと言えば、「禁じられた夜」 と思うだろ? 俺も、本当はそこから始まればベターだと思っていたんだけれど、舶来のひねくれもんだから 「お前の思うとおりになんか動いてやらんもんねぇ」 と、チョイスしてきたのが、初期の頃のREO、何気にREO好きなんだよ。 

 ケヴィン・クローニンのボーカルも良い。 イエスのジョン・アンダーソンをポップで、フレンドリーにした感じかなぁっと思っている。 声の質の問題なんだけれど、高い通った声はポップに聴こえるんだよな。 ハードな曲をやっておっても、ポップに聴こえ下々に受け入れやすい反面、正統派には受け入れられんという弱点もんあるように思う。 ハードな部分を担っていたのが、ゲイリー・リッチラスだと思う。 改めて聴くと、これ又、良いギターなんだよ。 当時は全然気がつかんかったよ、すまんすまん。 弾く方に回ると、「おやおや」 と思うギターなんだろうなぁ。 聞き流すとなんのこたぁないけれど、弾くとなるとちょっと難しかったりする。 ゲイリーに関しては、あのレスポールの音に尽きると思う。 スラッシュに負けじと、良い音を出している、又、レスポールコレクターだったらしい。 ある批評に 「世界最高のレスポールの音」 と書かれていた。 言われて気づいた! いやぁ良い音だし、良いソロだ。 

 初期のREOは、ハード路線だったんだ。 今夜はビート・イットにパクられたギターリフの バック・オン・ザ・ロード・アゲイン は有名だな。 アルバムとしては、爆発的に売れる要素はないんだけれど、通好みの楽曲であるのが判る。 スピーカーから 「スタートまで30秒です」 と流れた。 

 腕時計のモードをストップウォッチのカウンターに合わせる。 周辺の連中も、腕に手を回しピコピコやってる。 これから、3時間ほどの旅に出ます。 Qちゃんの受け売りだ。 今回のスターターは、前回同様、高橋尚子さんだ。 有名人に見送られて走るのは、気分が良い。 

 スピーカーから、Qちゃん以外の女性の声が聞こえる! キャピキャピいう声がする。 一体誰だ? 「あたしと一緒のTシャツ、Tシャツ」 「シノラーがいます」 シノラー? どっかで聴いたことがあるな、なんだっけ。 そんなことを考えながら10分ほど掛かって、スタートラインに到着! 15000人居るとだな、それくらい掛かるんだ。 東京マラソンは、30000人居るから20分掛かるでしょ。 俺は、ケツっぺたのほうだからね。 おぉQチャンが手を振っておる、隣には、誰が居るんだ? うぅぅあれは、篠原 ともえ!! シノラー!! 何故にシノラー・・・。 スタートラインを通り過ぎながら、「何故にシノラー・・・」 が渦巻いておった。 後で、わかったことだが、シノラー、青梅親善大使だったらしい。