足掻く男

 しかし、台風がやってきて、交通機関がまともに動かん、冠水、停電と、そんなことがあっても、仕事をする。 自然現象が厄介であり、時には、命の危険さえあるのにそんなこたぁ物ともせずに仕事に向かい、台風によって止まった電車、駅員に文句を言う。 普通に考えりゃ、しゃーないことなのにねぇ。 

 当然、俺自身も 「なーんだよ、ここまで来て、動かねぇーんだよ!」 と思う。 そーいった障害にもめげずに電車を走らせたり、ストアを営業したり、頑張っているのにねぇ。 管理された世界におると、それが当たり前に思ってしまうんだろう。 これは、人がこさえた世界でしかなく、何もなけりゃ思い通りに機能するが、障害が発生すりゃ、コントロール不能になる。 

 この手の世界は、仮想世界な訳で、頭の中の出来事だ。 よく言われる、「人が頭に思い描いたことは、実現できる」 逆に言えば、「思い通りには、いかん時もある」 っちゅーことだ。 ここ数年、日本は、自然災害多くなり、なーんかギリギリのとこで生活をしている気がする。 渋谷のスクランブル交差点が平気で、冠水するようになり、都市部でも土砂災害が出るようになってきている。 それでも、俺の住んでいるとこじゃ、そんことは起きる訳がないと思って、生活しておる。 

 頻発する地震もそーだよな、起こる可能性を示唆しているが、誰しも漠然とした不安を持っているけれど、何の変化もなく、学校に行き、会社に行き、同じように家に帰ってこれると思い生活する。 多分、ここまでは、みんな誰しも一緒なんだろう。 じゃー違いは? 起きたときの気持ちの持ち方なのだろう。 それが起きたときに受け入れるか、対処することを選択するか? ということなんだと思う。 俺か? 俺は諦めが悪いから、足掻くんだろうなぁ、どこら辺まで出来るか、どこで妥協するかと考えるのかな。