帯状疱疹その2

 帯状疱疹は、知らんかった、無知な俺。 体調が悪くなって、ヘルペスになって、ウエスト周辺に湿疹が出来るのを見たことがあった。 帯状疱疹は、そんなもんではなく、赤く爛れ、水ぶくれが出来るのである。 初期症状で、軽く患部周辺が痛くなるらしい。 確かに肩甲骨周辺が、筋肉痛っぽかった。 でも、筋肉痛なんて、いつもだから気にも掛けんかった。 

 そして、土曜日。 朝、出勤時に着替えようと思い、Tシャツを捲ったら! 乳首の下辺りが赤く湿疹が出来ている。 背中を鏡で見ると、同じように左の肩甲骨の後ろが赤く湿疹が出来ている。 よーく見ると、水ぶくれになっておる。 うーーん、擦れたか、なんかして、こーなったのかな? っと思った。 でも、左半身だけというのは、気にかかる。 もしかして、内臓疾患?

 そんなことを思いながら、とりあえずは、出勤した。 そして、仕事を終え、日曜日、症状を検索してみた! 左半身 湿疹 Enter! 出てきたのが、帯状疱疹。 神経系統に沿い、片側だけ赤い疱疹が出来るとある。 まさにそれである。 水痘が出来、痛〜いとある。 今のところ、大きく痛くなっておらん。 翌日、月曜日に病人へ行った。 

 皮膚科で、初診、時間が掛かると思い、本持参でゆく。 ネットで検索し、評判の良い近くの皮膚科をチョイス。 順番カードは、9番目。 今は、まだ、6番目だから、当分先だと思い、本を読んで待っておったら、「9番の方、お入りください」 と来た。 早すぎ! 問診表の記入で、帯状疱疹と判り、順番が繰り上げ当選と思われ。 先に来た人から、「なんでぇ?」 って感じにポカ〜ンと見られた。 あれぇ? 俺? みたいな感じだったから、もって来た本を持ちながら診察室に入っちゃった。 

 中に入り、Tシャツを捲り上げると 「ありゃ、こりゃ酷い」 と、看護師さん、即効で、塗り薬を塗り始め、手際よくガーゼを当てられた。 「帯状疱疹ですね」 ネットで、検索して、粗方予測しておったので、「はぁ」 「これから、痛みが増すと思いますから、鎮痛剤を出しておきます 疲れてくるとねぇ、なるから」 「はい」 「私もねぇ、二十代の頃に旅行先でなって、もうならないと思ったら、六十代になって、又、なっちゃってねぇ」 「シャワーとか、浴びて大丈夫ですか?」 「患部をサーッと流して」 そんな、感じで、サラサラっと終了! 薬高いからと、説明を受け、ここの病院は、2回に分けて出しているらしい。 合計7000円位だったかな。 保険効いて、7000円ってことは、21000円!かい。 

 この病気、皮膚に出るから、皮膚科を受診するけれど、神経系統をやられる病気なのだ。 だから、神経系統に直接作用する薬を処方される。 ガキの頃、水疱瘡のウイルスが、暴れまくり、体内にある免疫システムにしてやられ、「一時、撤収!」 を計る。 そして、チャンスを狙って、免疫が落ちた瞬間に 「今が復讐のとき!」 と進撃され、肌に症状が出たときには、時すでに遅しとなる。 痛みが出る場合と、痒みが出る場合とがある。 痛みも千差万別あり、ちくちくするパターンと、激痛のパターン。 年代も、十代から、老人まで、やられる神経も、千差万別。 当然、顔にも出る。 顔、頭に出ると、かなりヤバく、症状によっては、入院になる。 老人の場合は、即入院になるらしい。 今の良い薬が出てくるまでは、入院措置が大半だったようだ。 昔は、なすがままだったから、症状によっちゃ、死ぬし、神経痛が残ったらしい。 

 今も、発症後、神経痛が残る人がおる。 全体の7%だったかな。 昔っから、ある割には、ウイルスのことも、よく判っておらんし、完全な治療システムも出来ておらんという病気。 治ったんじゃなく、再び、水疱瘡のウイルスが潜伏期に入るというだけなのだ! 以前は、一生に一度なったら、二度とならんと言われていたが、今は、二度目もあるというのが常識。 

 俺も、やっと、1週間を通り越し、痛みも軽減した。 俺の場合、痛みのほうがヒットしたらしい。 患部が擦れて、ちりちり痛いのと、神経に走る電気信号の痛みの二本柱。 神経の痛みは、ピキーンと来る痛み、マックスのときは、ピキーンの間隔が長い、ピキーーーーーーンとなる。
 左胸に左の背中だから、右を下にして、寝るしか術がないのよ、それでもさ、左を下にするときがあるじゃない、そのたんび目が覚めるのである。 あと、鎮痛剤が5時間ほどで切れるから、切れると、これ又、目が覚める。 いやぁ、世の中には、知らん病気がまだまだあるんだろうなぁ、怖い怖い。