不純な理由から

 俺の会社って、上からなかなか情報が降りてこないし、妙〜に秘密主義。 上司の病気の経過も降りてこんかったから、本人に直接メールしてみた。 

 肺に影があり、その影が腫瘍か、結核かということまでで、止まっておった。 如何せん、病気だから、調子が悪かったら、返信来ないだろうと思っていた。 本人から職場に電話が掛かってきた。 第一声、かなり喋るのが苦痛そうだった。 風邪を引いて、喉を痛めてしまったような感じ。 二言三言話し、奥さんに代わって、状況を説明された。  
 痰に血が混ざり始め、病院に行ったら、入院になり、翌日、緊急手術になったとのこと。 腫瘍から、出血があり、それが痰に混ざり始めた為、それを切除した。 その後、petctを受けたら、他に2つ腫瘍が見付った。 腫瘍は悪性。 30代で、肺ガンはリスクが高い。 今後は、化学療法に切り替えてゆくらしい。 放射線治療か、抗がん剤になる。 自覚症状は、若干出ていたようだが、初期症状だと思っていたから、3箇所のガンは、ちょっとショックだった。 転移していたってことか。 家族にガンが出ると、症状、治療について、異常に詳しくなる。 日々、刻一刻と、治療や、薬に関して変化し、情報が出てくる。 今頃、丸山ワクチンが効果があるとか、言われている。 なんでもそーだが、症状が2週間続いたら、何か病気燻っておると考えた方が良い。 咳、頭痛、腰痛、etc、俺自身が、身体に気を使っておるのは、長生きしたいからじゃない。 俺自身の目的を達成するためかな。 これも、家族を持っておらんからいえることだ。 
 上司が、肺ガンらしいと言われて、職場におる連中は、タバコを止めた。 近くで、ガン患者が出ると、やはり、タバコのリスクを考えるのだろう。 

 そーだなぁ、俺がタバコを止めて思ったことは、出かけるのにタバコを持ったか気にかける必要がないし、残りの本数を気に掛けることもない。 火種があるかどうか、気に掛けることもない。 食事代削って、タバコ代にすることもない。 飯が美味い、朝、不快じゃない。 トレーニングをしても、息切れを気にかけない。 あとは、何だろう? タバコを吸ってる女とは付き合わない。 
 俺は、今、タバコもやらんし、酒もやらん、甘いもんも好んで食わんし、揚げ物も控えている。 そんなことして、人生楽しいか? と、思われるかもしれない。 俺のモットーは、朝、気持ちよく目覚めることだ。 それだけだ。 朝、気分よく目覚める事が出来れば、大概のことは上手くゆくもんだよ。 

 来月から、四国の巡礼に行ってくる。 正味5日ほどだけどね、北米徒歩旅行(予定)の予行練習をしようと思っただけだった。 一途はじめ思ったのは、金も使いたくないから、自宅から、休みある限り、どこまでも歩いて進み、夜になったら、近場のビジネスホテルに泊まるという旅だった。 面白みもなんもないから却下。 次が北海道を歩いて旅をするというものだった。 これも、あまり、魅力を感じんかった。 そして、ふと、「水曜どうでしょう」 でやっていた四国のお遍路は、どうだ? と、思ったわけだ。 なんとも如何わしい理由だ。 ホント、ちょっと前まで、この気持ちのまんま旅に行くはずだった。 上司の事があって、真面目にお遍路して、願掛けしようと思った。 あわよくば、寺回って周辺見て、終了にしようと思っていた不謹慎極まりない。 でも、今は、ちゃんと周るつもりだ。 当然、回復を祈っている。 俺が勝手にやることだけどね。