危うい信用

 俺は、昔っから飛行機が怖い。 乗って、飯を食ったら、速攻寝ることにしておる。 エコノミー症候群になろうが、どーなろうが気にせずに寝ることにしている。 ここから先の食事は、すべて、ノーサンキューで、飲み物だけを取り、耳栓して死んだ振りをするのだ。

 そんな俺が、心の指針にしているのが、どんなことが起きようが、パイロットは最善を尽くしてくれるであろうということだ。 パイロットだって、死にたくないのだ、最善を尽くしてくれる。 これで、駄目だったらしようがない、団体さんで、天国に着陸だ。 

 だが、今回のフランスで起きた航空機事故は、副操縦士が故意的に墜落させたのだ。 俺の思っていた指針が通用せん。 数年前に墜落したマレーシア機も、故意的な墜落の可能性が言われているが、機体が見付からず、原因不明で処理されているよな。 これは、テロではなく、殺人だ。 会社側の責任は、問われているが、本人が黙っておったら分からんよな。 知りえる方法は、周りからの密告かな。 副操縦士の元恋人ってのが、べらべらとまぁ喋っておるが、そこまで、判っておるのなら会社側に知らせろよな。 彼女に責任があるとは言わんが、発言は無責任だな。

 まず、精神疾患が、飛行機を操縦するというのは、ありえんだろ。 彼の中では、すべてが崩壊していったのだろう。 社会というのは、お互いの危うい信用によって、成り立っているのだなぁということをつくづく感じた。