岩のような顔をしたショーン・ペン

 想像力。 金がなくても、場所を選ばずに楽しむ事が出来るし、道具を使うこともない。 これさえあれば、スマホも、パソコンも必要ない。 だが、こいつを育ててゆくのは、なかなか大変で、大人になるにしたがい、どんどん、使えなくなってくる。 社会に溶け込み、企業に入り、仕事を処理するようになると、想像力を失い、当たり前の仕事の仕方をし、安全圏を闊歩するようになる。 それが、悪い訳じゃないが、敷かれたレールから外れないと見えない風景がある。 

 俺は、基本的に外れっぱなしだから、いつも違う風景を見ておるのかもしれない。 大切なことは、自分自身のやるべき事を判っていることじゃないのかな。 自分のやるべき事が判っておれば、迷うことはない。 

 俺が思うにスマホや、パソを与えられ、それをいじくっている限りは、想像力を与えれる側に回るしかないんだと思う。 想像する側に回るには、与えられたものに甘んじておっちゃいかんっちゅーことだ。 
 LIFE!を観たとき、そんなことを考えた。 前半、妄想狂の主人公のウォルターの頭の中を映像化してみせる。 「なんだ、これ?」 と、違和感があった。 こんな、映像だったら、ドキドキワクワク映画で、しょっちゅう観ているぞ、そんなもんを観たい訳じゃない! そして、ウォルターはレールを一歩踏み出し、冒険に出るんだ。 おぉーこれだ、これなんだ! と、なる。 

 カテゴリなんぞに当てはまらず、自分らしいことをする。 人の価値ってさ、その人しか出来ないことを模索することだと思う。 誰かがやったことをやったり、羨ましがったり、欲しがったりしちゃいけないんだよ。 

 ショーン・ペンがカッコイイんだ。 ゲスト出演みたいなもんなんだけれど、美味しいとこ、全部もっていっちゃっている。 大自然の中、岩のような顔をしたショーン・ペンが居る。 K1のブランコ・シカティックを思い起こさせた。 謎かけの紛失したネガは一体どこに? そして、最期のネガには、どんなもんが映っておったか?