新年の挨拶

 去年の暮れ、彼女とすったもんだして、別れる別れないに発展し、話し合って元の鞘に戻った。 何が原因だったかは、話せないけれど、俺自身の個人的な問題を彼女なりに解決したことを俺の発言から、再燃してしまったということだ。 「あぁこんなことを考えていたんだ」 と思える出来事だった、結果としてよかった。  

 そして、今日、彼女の家に遅まきながら新年の挨拶に行ってきた。 行くと、飯をご馳走になって帰ってくる。 彼女の母上が風邪を引いていると聞いていたから、挨拶だけして引き上げようと思っていたのだが、「寒かっただろ、おでん作ったから食べてきな」 と言われ、ご馳走になった。 

 その折、母上から 「うちの家族は、なんも考えていないんだ、考えるとしたら、生き死にのときぐらいかな、だからあんたも考えなくって良いんだからね」 と言われた。 年末の二人のギクシャクを遠目に見ておって、心配して思ったことを言ったのかな。 俺は考えすぎるんだなぁ、それを見越して言われたのかな。 付き合いだして、1年半くらいになる。 悪友たち以外で、心配される存在が出来たことが嬉しく思う。