結局、ありそうでない世界なのかな?

 去年、宮崎ひねくれ駿が引退して、日本アニメ界の勢力地図が変わった気がする。 戦国時代であれば、行き先短い当主が(?)妙なタイミングで、引退宣言なんぞしたから、再び、戦乱の世に戻ってしまったってとこかな。 既に次世代を担う武将は現われておるように思うけれどな。 

 駿の息子は、普通の子って感じかな、確かに建設関係から、リクルートして、やったにしちゃ凄いけれどね。 鈴木策略敏夫プロデューサーの力も衰えてきているから、ちょっと難しいね。 庵野オタックス秀明は、どうだ? 気まぐれな天才だからねぇ、コッポラっぽいな。 部分部分は良いけれど、全体を見ると作品にばらつきがある。 でも、金の稼ぎ方は、集め方は上手いよなぁ。 押井守は、どうだ? ありゃ、行く末が判った、オタクの末路かな、才能枯れたな。 金の稼ぎ方が、よろしくない。 

 そして、もう一人が細田守だ。 誰これ? って、思う人もおるかも知れんな。 時をかける少女 サマーウォーズの監督って言えば分かるかな? 本当は、今敏だと思っていたんだ。 ホント、マジに不幸にも夭折しちまった。 タイプとしては、押井守だったけれどな、作風は、断然好きだった。 今敏が居なくなった今、日本アニメ界を牽引してゆくのは、細田守じゃねぇか。 今回観たのは、おおかみこどもの雨と雪

 これ、結構前からHDDに収まっておったんだけれど、観るのを躊躇しておった。 なんだろう、メロウな感じがしたんだな。 メロウも色々あって、俺が苦手なメロウな気がしておった。 

 狼男を愛してしまった女が、その子どもを育てるというお話しなんだけれど、時をかける少女サマーウォーズと毛色が違うんですよ。 おぉ、勝負に来たか? って感じかな。

 俺自身がガキを育てるとなると、さて、どうするんだろう? 必死になるんだろうなぁ、考えたり、迷ったりしておると、それに潰されてしまう気がするんさ。 子育てって、考えるよりも行動が先に出ていないと、駄目なんじゃないのかな、考えちゃうと、常識やら、マニュアルに惑わされて、結果、自分自身の歯車がおかしくなってくる。 常識で、考えているようじゃ、子育ては駄目なんだって、おふくろと、親戚のおばちゃんを見て、思ったよ。 

 前半20分ほどで、狼男との出会い、愛し合い、子供が出来るまでを描き、そこから先は、雨と雪の子育てに向かう。 2時間ほどの作品で、凝縮した時間が経過する。 なんだろうなぁ、狼男の子供を育てるという形で描いちゃいるけれど、なんのこたぁない、極々普通の母子家庭の子育てなのだ。 

 俺んちも母子家庭だったから、なーんとなく判る。 母親は必死なんだよ。 俺なんか、全然敵わないと思う。 ガキの頃の写真を見ると、ちゃーんと、当時の流行りもんを着せられて写真に収まっている。 その頃の方が、今よりも金なんか無かったはずなのにやりくりして、子供の為にやってくれていたんだ。 それを考えると、今の親は、自分の為がまず、第一になってしまい子供が疎かになっているんじゃないか? と、思えることがある。 俺は、子供を育てたことがないからね、大きなこたぁ言えないけれどさ。 

 何だかさ、最近の家族って、自分ありきっていうが見て取れる。 自分自身のやる事を優先して、その余った部分を家族に分け与えるっていうのかな。 それって、違うと思うんだよ。 ここに出てくる母親は、子供に無償の愛を与えている。 結局、ありそうでない世界なのかな?