バイキンマン

 マラソンをやっているときから、そーなんだけれど、爪がよく撃沈する。 爪が死ぬってヤツだ。 変色しちゃって、マニュキアを塗ったみたいになる。 あんま気にせず、そのまんまにしておることが多い。 登山でも同様に靴に爪が当たって撃沈しておった。 それも気にせずに放置しておったんだけれど、やたらその撃沈した爪が剥がれる。 1月で3枚ほど剥がれたんだが、いつものよーに放置しておった。

 そしたら、先行で剥がれた左足の小指が痛くなってきた。 爪が食い込んでいて、痛いんだろうと思っていたら、そーじゃなく、みるみる腫れてきた。 ふと気づけば、たこの頭のように真っ赤でパンパンに腫れておる。 こりゃ、ばい菌入ったな。 

 とりあえず、うちにあった抗生物質を塗って様子を見るも、一向に治る気配なく、片足を引きずるようになってしまい、こりゃ病院だと思い、皮膚科に向かった。 爪に無頓着な割には、ばい菌が入って腫れたことはなかったんだな。 

 近くにある皮膚科に向かった。 通ったことはなかったけれど、いつも患者さんが目白押しで、混んでいる。 混んでいるってことは、腕が良いと思われ、休日明けの月曜日に病院へ向かった。 診察開始時間の9時には、座る場所がなく既に大混雑。 どうも、アトピーに関して良い病院のようで、ガキンチョが多い。 とにかく、やかましい。 俺んちの方って、ガキンチョが多いんだ。 今時、珍しいなぁっと思ったけれど、家賃が比較的安く、物価も安いから、こっち方面に引っ越してくるんではないか? と睨んでおる。 子供育てるには、金が掛かるかんね、それを考えると、家賃、物価の安いところに移るんだろう。 子供が多いってことは、同様にじいちゃん、ばあちゃんも多い。 

 まぁ、1時間半くらいかなぁっと思い、確保できた座席で、本を読んでおった。 まぁ騒がしい、泣くことも居るし、かあちゃんに大きな声で話しかける子、遊んじゃっている子。 凄い凄い。 
 医者に呼ばれ、診察されると、思ったとおり、「ばい菌が入って、化膿してますね」 とのこと。「処置しますから、少々お待ちください」 と再び、待合室へ。 病院に行くと判るが、世間じゃどっか患っておる人が沢山居るということだ。 

 処置室に呼ばれ、患部を一目見て 「あぁ膿が溜まっていますね、出しますから」 ぶっとい針を持ってこられ、患部を刺され、膿を出された。 尖がったものを痛い患部に刺されるのは、嫌だが思ったほど痛くはなかった。 パンパンに腫れているから、ピューっと出て来た。 あまりにも勢いよく出て、処置ベットを通り越して飛んでった。 看護師さんもビックリしてた。 腫れ上がって、2日ほどで熟しきったな。 

 処置は終わったが、すぐに腫れが治まる訳ではなく、膿を出すために押されたから、ちょいと痛い。 テーピングで巻かれた為、靴が履けそうにない。 身体は労わってあげなきゃいけないんだよなぁ、特におっさんなだからさ。 医者に 「爪剥がれたら、なんかしたほうがいいですかねぇ?」 と聞いたら 「化膿止めくらいは塗ったほうがいいですね」 と意外そうな顔で返答された。 普通は、そーなんだな、そーします。