見送り人

 俺が今の職場に来て、1年ほどの間に分かる範囲で、5人ほど亡くなっている。 夏場に2人、そして、この冬に3人。 どういう職場に居るかは、差し控えるが、病院で亡くなったら、戻って来なくちゃならないし、そこで状態が悪くなったら、病院に向かわなければならん訳だ。 結果、俺たちが対応することになるんだけれど、5人中、4人は、俺が対応し、3人は直接俺が対応した。 

 打率高いだろ? そんな訳で、最近の俺の呼び名は、見送り人。 見送ったからといって、気分が悪くなることもないし、ごく普通である。 直接対応したヤツじゃなくても、「飯食えるかなぁ」 とか言っている。 俺は、ホント気にしないんだ。 死ぬことは当たり前のことであると受け止めている。 だから、気にせん。 

 そんな話しを彼女にしたら、「やっぱ、変なあだ名がついたか」 と分かったように言ってきた。 まぁ、そんなもんなのか。 多分、俺が一番この手のことの適任者ではあるとは思う。 当然だが、必ず手を合わせるようにしている。 幽体離脱とかってあるけれどさ、耳だけは最後まで、聞こえるから、その音から周辺の状況を脳みそが創作するんじゃないのか? と思う。 見ちゃいないんだけれど、音から想像したことを記憶として残っているんじゃないのかなぁっと、ふと思った。