可能性がある限り、諦めないことだ

 先週、俺の上司が緊急入院した。 先月、調子の悪さが加速し、検査を受けに行ったら、結核か、腫瘍のどっちかが右胸にあると、診断された。 結核だったら、職場の連中、みんな保健所に行かなければならん。 悪性の腫瘍だったら、厄介だ。 腫瘍だった。 入院の翌日、緊急手術が行われ、摘出がされたようだ。 陽性だったか、悪性だったかは、判らん。 

 癌といっても、出来る患部が違うし、大きさも違う。 一人、一人、違った手術が行われる。 難しいのや、比較的簡単なのや。 おふくろが病気になって判ったことがいくつかある。 まず、藪の見分け方だが、症状が出て、原因の追究が出来ずに 「おかしい、おかしい」 とだけ、ぼやく。 出来る医者は、自分自身の限界を理解しておるから、他の課に行かせたり、他の病院を紹介する。 
 そして、担当医である。 当然なのだが、院内で力を持っている先生に診てもらうのが良い。 その人自身で、即断できるのと、検査でも、強引に割り込ませることが出来る。 大きな病院や、大学病院は、上の先生方にお伺いを立ててから、病名や、診療方針を決める。 面倒だ。 
 そして、医学は、日々進歩し、厚生省が認可されることで、保険範囲内で良い薬が処方されることもある。 おふくろのすい臓がんの時も、前年認可されたばかりの薬が処方された。 前年までは、海外に行き、高額じゃなければ、受けることが出来んかった。 民間療法やら、漢方、抗癌剤を受けない、いろいろある。 チョイスするのは、当事者と家族である。 

 良いことも、悪いことも、何が起こるかわからないのである。 可能性がある限り、諦めないことだ。 快方に向かうことを願うばかりだ。