気まぐれってヤツは

 今年は、寒い寒いと思ったら、やっぱ、首都圏にしっかりと、雪が降った。 予報じゃ、200年に1度の大雪と、言われとる。 天気予報も、ここ数年、スーパーコンピューター導入により、かなり、的中率が上がったが、雪に関しては、50%だな。 これは、殆ど、占いに近いかもしれない。 去年の成人の日の大雪で、「薄っすら積もる程度でしょう」 と言っておきながら、数日残る大雪になってしまった。 それから、何かにつけ、大雪警報を出しておる。 そんだけ、苦情が行ったから、防衛策としてやっておるのだろう。 

 雪は、条件が揃うと、降りまくるからな。 今回の雪は、そんな感じだ。 当初の予報よりも、長時間降る予報に切り替わっておる。 俺はっちゅーと、たまたま休日に当たった。 普段だったら、出勤なんだけれど、日曜日がレースだったから、事前に休日を申請しておったからだ。 この感じだと、明日のレースは、中止だな。 上がって、晴れたとしても、雪が残るな。 中止じゃなかったとしても出ないだろう。 ちょっと、勢いが削がれた。 土曜日で、カレンダーとしては、休日であっても、出勤せにゃならん人は、沢山おる。 交通機関の運営に関わっておる人たちは、休日返上になっておるかもしれん。 サービス業に従事しておるもんも、関係ない。 平年よりも、気温が下がると、病に臥せっておる人は、亡くなられるんだ。 気圧の変化でも駄目だ。 技術の進歩で、部屋の中が一定の温度湿度に保たれておっても、病人や、怪我人には、あまり関係がないのだろう。 ある意味で、自然の摂理には、逆らえんということだ。 

 うちの上司が 「携帯ウザイ! 休日だろうと、関係なく下らない事で、電話が掛かってくる」 と、嘆いておった。 俺は、基本、肌身離さず持っている口じゃないんだ。 俺にとっての緊急は、生か死でしかない。 確かに友人、職場の緊急事態はあるかもしれない、生死に関わる連絡があるかもしれない。 そーいった事に関しては、タイミングや、運命ってヤツが関わってくる。 気に掛けて、どうにかなるもんじゃないのだ。 俺は、そーいったことには、良いほうに転ぶヤツだと思っているから、気に掛けていない。 緊急時とかの判断ってさ、気まぐれが重要だと思っている。 気まぐれ=直感な訳だから。 世界に出ているとき、何気に気まぐれなんだよ。 書き連ねると、行程どおり動いているようだけど、実は、平気で予定を変えるんだ。 そう、気まぐれで。 気まぐれは、重要なバイアスだよ。  
 
 俺らが子供の頃の雪の日は、本当に静かで、聞こえるのは、雪と戯れる、ガキの声しかせんかったのかもしれない。 雪が降っておる土曜日だっちゅーのにザーザーザーザー泥んだ雪を掻き分けるタイヤの音が聞こえやがる。