俺もまだまだだ

 いやぁ、今年は、寒いな。 強い寒波着まくりである。 まだ、1月半ばだからな、大雪が降ってもおかしくない。 寒いと、走るのがつらい。 みんな、よー走っておるな。 昨日、本当は、レースだったんだが、30キロ走れるまで、距離が伸ばせていなかったから、棄権した。 当然だが、出たら、走れなかったとしても、必ず、完走するが俺のルールだ、だが、長時間掛けて走っても、主催者側に迷惑が掛かっちまうからな。 潔く棄権した。

 気を取り直し、次のレースに向け、コンディションを整えることにする。 マラソンや、サッカー、ラグビーのオンシーズンが、冬だから、この時期に必至こいて練習をしなければならない。 走っておると、必ず、鼻水が垂れてくる季節だ。 途中で、買う、温かい午後の紅茶が、ちょっとしオアシスだ。 

 いつものよーにすたこら走っておった。 10メートル位先で、チャリンコ乗っておったおばあちゃんが、こけたのね。 俺のとこから、まだ、距離があったから、「おぁ、こけた」 そして、その真横を男性が通過したから、助けるだろうと思ったら、通過、チャリンコ1台通過、もう1台のおばちゃんのチャリンコがやっと、止まって、おばあちゃんを助け始めた。 助け上げようとするも、上がらず 「あぁ、こりゃ助けないと駄目だなぁ」 っと、思い、走りよる。 まず、倒れたチャリンコを持ち上げ、おばあちゃんの手を取り、自力で、立ち上がるのを待った。 「すいません」 「ゆっくり、ゆっくり」 道路のど真ん中だったから、チャリンコと、おばあちゃんを移動させようと思ったけれど、ちょっと無理そうだった。 
 チャリンコにおばあちゃんが手を取ったから、そこから先は、おばさんに任せ、「気をつけてください」 と言い、なぜか、おばちゃんから、「どうも、すいません」 と言われ、会釈し、俺はランニングに戻った。 不思議だったのが、その周辺を取り巻くように気に掛ける人たちが足を止めておった。 俺は、基本、誰かが助けておったら、手を貸さん主義なの。 交通事故とかだったら、人手が必要だけれど、おばあちゃんがこけて、手が足りておったら、気にかけずに走りぬけておるだろう。 
 何気にこーいうシュチュエーションで、人を助ける光景に出くわすし、俺自身が助ける側に回る事が多い。 俺が善人だと言っている訳ではなく、俺は基本、達観者だから、それに巻き込まれまいとするんだ。 でも、俺がゆかんと、誰も助けんから、助けるというだけ。 無関心は、よく聞くけれど、本当にそーなのかなぁっと、首をかしげる。 俺が出来ることだったら、大概のことは、手を貸す。 助け終わり、我に返ると、ちょっと恥ずかしい。 本当は、おばあちゃんが怪我がないかを確認するまでやる事が、正しかったんだと、ちょっとしてから、気がついた。 
 チャンコ支えて、おばあちゃん支えて、微動だりせんということは、はるかに体力があるっちゅーことだ。 余った体力は、人に与えるのも、悪い気はしない。 街中を歩きながら、人よりも先に早く進もうと、早歩きに体力を使うよりかは、ましだなぁっと、思った。 俺もまだまだだ。