逃亡者

 川崎の逃亡者が、この2日間の注目の的だった。 俺の中の興味は、逃亡者の報道されている部分と、知人のインタビューから垣間見えるギャップだった。 しかし、まぁ、検察から逃亡し、サンダル脱いで、裸足で、この冬の寒空、トレーナー一丁だったっけ? 俺だったら、寒さに弱いから、検察を出て、信号渡った時点で、寒さに負けて、ハイ、終了だ。 
 このところ、警察署や、関連施設から、捕まった後に逃亡っちゅーパターンが多い。 多いっちゅーことは、どこかに問題があるのであろう。 そん中で、一番達者だったのが、傷害で捕まったドイツ人だったな。 やはり、薄着で逃亡し、ヒッチハイクし、接する人から、衣服をもらい、わらしべ長者のごとく逃亡したドイツ人。 妙に外国人コンプレックスがある日本人だから、親切心が出たのかもしれないな。 

 今回の場合は、速攻で、顔写真が出て、全国指名手配と相成った。 この逃亡者、強姦、強盗、逃亡である。 前二つに関しちゃ、目も当てられんな。 ちょっと前まで、かみさんが居り、子供まで居ったそうじゃないか! DVで、別居しておったらしいが、それでもさぁ、強姦ってなんだよ? かみさん、情けなくってビックリだよな。 
 地元の中学卒業、高校中退、20歳にして、前科もちってことだ。 人生、決定しちゃったな。 警察も、交友関係が地元にしかなく、世界観が狭いと、絞り込んで捜査しておったようだ。 逃亡したら、まず、裸足だから、靴を得なければならんし、寒いから防寒着も必要だ。 そして、人相の変更が必要になる。 如何せん、髭に刈り上げた頭が、印象に残りすぎる。 そして、移動手段の確保だ。 靴と、服は、確保できたようだが、交友関係が二十歳前後のガキだから、考えることも高が知れておるから、警察の予想の範疇だったのだろう。 捕まった決め手が、友人が渡したであろう携帯電話の逆信による探知だ。 友人の年齢が若かったから、手助けしたんだろうねぇ、中途半端に。 知人へのインタビューで、「ちょっと、腕白な程度、こんなことをやるとは」 「一人じゃ何もできないやつ」 「そんな、ことをやるような子じゃなかったのにねぇ」 勢い余って、やっちゃったのかもしれないが、強姦は、頂けん。 人として、価値を下げたよな。 
 検察から逃げる時、6階から猛ダッシュかけて、赤信号、激走して、警官振り切った。 そんだけ、走れたら、ちゃんとしたコーチについてもらったら、そこそこ良いスプリンターになれたかもしれんなぁっと、思い、やはり、大事なことは、出会う人との関わりなんだなぁっと思った。 逃亡者は、数年後、人相の悪いチンピラになっちまのかなぁ。