大人の遠足 その8

 谷町六丁目駅に向かう。 見たことも聞いたこともない駅に向かうというのは、俺の中で、ちょっと変な感じだ。 旅に出れば、当たり前なんだけれど、駅というのは、通勤のためにしか利用しないという理論が成り立っているんだろうなぁ、さびしいねぇ。 
 暑さと、予想外に長く歩いてしまった。 履きなれているはずのNIKEのエアーも、足が痛くなってきた。 ちょっと予想外。 駅に着いたらKから 「本町で降りれるんなら改札でのところで・・・待っているんやけど・・・」 なぜか、大阪弁。 そこから一駅が本町であった。 何気に小さい大阪の街。 
 
 みんな、仕事して、生活を持つようになると、なかなか会えんようになる。 ちゃうな、仕事の疲れとかあって、余力がないのかもしれない。 俺は、仕事から帰ってきて、夕飯と、弁当のおかずを買い、少し寝て、ランニングして、シャワー浴びて、飯こさえて、食って、弁当作って、あと片付けてして、本読んだり、打ったりして過すと、時間は 「あっ」 という間に過ぎ去ってしまう。 この時間っちゅー繋がった列車に乗っておると、人生の意味を忘れそうになる。 いかんよな。 

 Kと会うのも、久しぶりなんじゃないのか? 会っちまえば、時間の隙間は関係ないけれど、不思議に感じたのが、大阪で、待ち合わせるということだ。 そして、ちょっと時間を置いて会うと、「あれ? ちょっと老けたか」 と感じるときがある。 俺自身も、久しぶり会って、「老けたんじゃね?」 と、思われているのもしれない。 そこら辺は、平等にやってくる。 

 駅に着くと、長身のKを発見。 どこにおっても、ランドマークである。 軽く近況を聞くも、「まぁ、ぼちぼちだなぁ」 という答えが返ってくる。 そんなもんだな。 昔っからそうだが、Kは、お洒落である。 俺はっちゅーと、かなり強引なファッションセンスをしておるが、Kは、なかなかスマートな着こなしをしている。 そして、会うたんび、メガネが違うのは、どーいうこと? 俺なんか、10年くらい見えるから、良いやと使い続けておる。 ここら辺も、いかんのだなぁ、メガネにも気をつかわなければいかーん。 サングラスに関しちゃ、ブームが一回転して、太ブチフレームが再流行しておるから、叉、かけておるよ。 

 ライヴにゆく前に軽く腹ごなしてをしておこうということになり、何を食うか? っちゅーことになった。 これが、叉、お互い嗜好と、腹の具合が違うから、なかなか妥協点が見付らんと来ている。 俺はっちゅーと、元々食が細いから、ライヴ前に普通に食うことが出来ん。 Hは、王道ラーメンで攻めたいようだ。 Kはっちゅーと、「寝不足だから、ここで飯を食うと眠くなるから、酒を引っ掛ける」 といういつもよー分からん理論である。 酔ったら、余計に眠くなんじゃねぇ? と、思うのだが。 
 そんなこんなで、俺とHは、ハンバーガー屋に入り、Kは、居酒屋に突入! まぁ、いつも、こんな感じだよな。 俺と、Hは、「居酒屋は、ライヴが捌けてからでも行けるじゃないか」 と、思うんだ。 でも、ヤツの場合は、酒を引っ掛けて、何ぼなんだろう。 

 Hが、「せっかく、大阪まで、来ているのに何で、何で単独行動するかね?」 と、怒っていた。 なんだろうなぁ、俺は、Kらしいという感情の方が、先行する。 いつもそーだが、ヤツは基本、単独行動で、最後の最後で、合流するってパターンでしょ?