大人の遠足 その4

 俺が乗り込むは、10:10発のひかり。 悪友Kは、レンタカーでGOではなく、仕事明けにこだまでGOである。 11:56初のこだまに乗り込み、4時間睡眠を取って、現地入りの予定。 バラけて乗り込むっちゅーのも、大人っぽくて良い。 

 考えてみっと、物心ついたあたりから、近くに新幹線が通っておった。 ビュンビュンいいながら、毎日、通っておったんだよね。 気にも掛けていなかったけれどな。 進行方向左側の車窓から、以前は、我らが母校が見えたのだが、なくなっちまって、フルモデルチェンジされ、小中一環校だっけ? まぁ、時代なんだろうなぁ、うちらの時は、ガキが多くってしゃーなかったんだからさ。 丙午だったから、4クラスしかなかったけれど、他の学年は、もっとあった。 それが、30年も経っちまうと、1クラスか、2クラスしかないらしい。 運動会も、面白くねぇんだろうなぁ、ガキがワラワラおって、何ぼな訳で、じいさん、ばあさんが、ワラワラおってもしゃーない。 もぉーちょっとすっと、俺らもじいさん、ばあさんにカテゴライズされるんだろう。 
 そんなことを考えておったら、どっかで見た事ある中古車販売のガリバー・・・・と、思ったら、馬込でやんの。 いつも、見上げていた新幹線から、馬込駅を見下げていた。 ほんの僅かな時間だったけれど、凄く嬉しい気になった。 なんだろうねぇ。 

 新横浜で、Hが乗り込む。 そして、車中3時間、新大阪に到着!! 京都を越えた辺りから、ちょっとワクワクしていた。 関西方面には添乗員の仕事をしておったときに来てはいたけれど、基本、お仕事、客を案内するのとは別に個人的に観光をしようとは、これっぽちも思わないんだ。 ホテルに着いたら、翌日の準備をしなきゃならないし、めるっきり客と関わらずに済むというわけでもない。 時間があったら、寝ていたいというのが、本心だ。 だから、「楽しんでいいですよ」 という関西は、これが初めてじゃないのかな? 

 新大阪にに降立ったからといって、税関があるわけでも入国があるわけでもない。 自動改札を抜ければ、そこは、大阪!! 「このチケットで、府内だったら、下車できるのかなぁ?」 「訊いてみよう」 「すいません、これで、府内は下車できるんですか?」 「そのまんま↑、いれて↓ください↑(矢印に応じてイントネーション)」 おぉ、大阪弁だぁ!! 当たり前だけれど、ちょっと嬉しい。 

 さて、これからどうするか? 車中で、とりあえずは、大阪城を見ることに決めていた。 隣には、新日本プロレス御用達の大阪城ホールがあり、ゴモラに壊された大阪城である。 大阪の地下鉄は、複雑だという印象がある。 仕事できたとき、いきなり、まるっきり知らん、大阪の地下鉄を利用し、客連れて、ホテルに帰ってくるというミッションがあった。 東京も、かなり複雑だけれど、あずかり知った街だ、まかせときぃ! となるが、知らん街で、初めて乗る電車は、なかなかキツイ。 しゃーないから、利用したお店で、地下鉄の乗り方を聞いた。 そしたら、「この道、すーーっと出てぇ、ちょっと行ったら、曲がって、言葉で説明すると、難しいん」 と、聞く人、聞く人、同じ返答で、ちょっと笑った。 

 今回は、っちゅーと、困ったときのスマホ頼みである。 乗り換え検索をして、地図を出して、ボンである。 俺は、念の為、市内地下鉄マップ&JRマップをプリントアウトしたアナログチックチックだ。 
 大阪の電車は、東京と違い、ちょっとカラフル。 そして、私鉄とJRの区別がつかん。 帰ってきて思ったことは、車両が古いということ。 今じゃ、東京は、殆どが、ステンレス車両になっていて、昔の面影はない。 山手線が、開通何周年記念かで、昔の山手線カラーが走っているが、ついつい目で追ってしまうよね。 逆にその古さが、妙に落ち着く。 こーいっちゃなんだが、80年代の東京なんだよなぁ。  

 新大阪から、東海道本線に乗り、大阪環状線に乗り換え、大阪城公園に向かう。 吊革が三角で、位置がちょいとばかり、高い。 そして、対面シートだ。 俺の中だと、未だに対面シートは、遠くに旅行に行くってことになっているから、通勤電車見ると、ちょっと妙な嬉しさを感じ、乗り込んで、立つ位置に困る。 

 大阪城公園に着き、降立つと、大阪は、既に夏の暑さであった。