G対策

 G対策として、ゴキジェットと食わせて、殺すヤツを買った。 いやぁ、あのデカくて、黒光っている姿は、怖いな。 前、住んでおったところは、茶羽ゴキしか出てこなかったから、それほどのもんじゃなかったのだが、今、住んでおるところは、当たり前のようにデカイGが出る。 築うん十年という住宅にGは、付き物であるらしい。 はじめ、基本に忠実のゴキブリホイホイを買った。 昔のやつに比べると、数段進化しておって、足ふきマット、誘い袋、縦横どっちで置けるようになっておる。 仕掛けて、3日、全然効果がなかった。 という訳で、第二段攻撃態勢に移ることになった。
 「あんなもん、怖くないだろ!」 と、思っていたが、頻度高く出てくると、「いるんじゃないか?」 という思いがあり、ビビる。 独特のカサカサカサカサという音は、脅威だ。 凄いよなぁ、はるか昔から、人類をビビらせてきたんだからな。 それにしても、あの完成されたフォルムは凄い。 
 身体の薄っぺらさ、あの薄さが、どんなところでも入ってゆける。 そして、超雑食性! 人の髪の毛から、自分たちの糞、そして、自分たちの死骸まで食ってしまうのだ! あのサイズだから、許される訳で、あれが、カブトムシ並の大きさが標準サイズだったら、そりゃ恐ろしい!! 冗談ではなく人類の脅威になりえる。 そして、丸い頭のように見えるのは、実は、ヘルメットの役割を担っておる、本当の頭は、その下にあるちっこいヤツだ。 そして、あのGは、なかなか死なない! 年々強くなる殺虫剤に耐性が出来てくる。 おまけにあんな、小さいくせして、学習能力があるんだからなぁ、その学習能力は、世代を越えて継承されるのだろうか? うーーん、分からん。 

 被災地じゃ、Gに蝿が、大量発生しているんだよな。 Gに関しては、どこからか、移動してくる。 ここは、餌があり、安全であるというのを知って、やってくるのだ。 嫌われもの連中は、生き残るための知恵というか、習性というかを持っている。 
 改めて考えてみると、人が作り上げた、この文明社会は、そーいったものを除外し、構築された世界だ。 居ないのが当たり前ではなく、居ない世界を作ったのだ。 都会に住み慣れてしまうと、この作られた世界が、はじめっから、ここに存在していたと、勘違いしてしまう。 楽な世界に慣れてしまったものは、ちょっとしたことに耐性がなくなる。 些細なことに我慢が出来なくる訳も、分からんでもない。