再び、キューピー

 昔、俺んちは、ラジオが1日中流れておった。 おふくろが好きだったからだろう。 大概、FMがずーーっと、流れておった。 おやじは、民謡だったから、これ叉、NHK−FMの民謡ばっかの番組を流しておる事があり、不快だった。 やがて、俺が、オーディオを占拠して、ロックを流すようになるまで、続いたのかな。 あの頃の日曜日の冬の日差しのような柔らかい日々が懐かしく思える。 太陽が低く、やさしい冬の日差しが俺は好きだ。 それに被さるようにいつも、ラジオが流れておった。 今、住んでおるとこは、ラジオが入りづらく、ノイズばっかだ。 今更CDラジカセを使っているんだけれど、チューニングが例のあれだ、くるくる回して合わすヤツね、今は、デジタルチューニング当たり前だからなぁ。 リスナーか、懐かしいなぁ。 俺も、17歳位までは、ラジオを聴いておったんだ。 そっから先は、酒を飲むようになって、夜の時間は、酒場で過ごすか、酔っ払っているか、どっちかだった。 
 ふと、「キューピー・バックグランド・ミュージック」 という題名を思い出したんだ。 これ、おふくろがよく聴いておったラジオの番組で、題名を覚えていたんだろうなぁ。 こーいうとき、ネットは便利だ。 この題名に間違いなければ、どっかにヒットする。 ちゃーんとヒットした。 TBSラジオだったようだ。 俺は、FMの印象があったんだけれど、違っておった。 記憶なんて、そんなもんだ。 
 叉、音源がyoutubeに落されているんだ。 良い時代だよねぇ、そーいうアンダーグラウンドの情報の交換が簡単に出来るのだから。 家族全員で、ブラウン管のバズーカ砲のようなテレビをみんなで見ておったとき、その映像は、どんな風に見えていたんだろう? と、思うことがある。 その映像を見ていた当時は、その見ている映像が鮮明であると思っている。 実際は、色も赤が強かったりして、汚かったのかもしれないね。 超合金のマジンガーZを見たとき、なんて、カッコいいんだろう! と、思ったけれど、今、見ると、ずんぐりむっくりで、金型感満載だった。 当たり前だけれど、その当時の感覚で、それを見ることは出来ないんだろうなぁ。 下らないことだけれど、すべてをその当時の感覚で、見たいという願望が未だにある。 こりゃ、あれだ、「ねぇ、ドラえもん」 の世界だ。