なぜに? やろうとする

 信号を渡った公園にぶり下がりバーを発見した。 あれだ、健康増進のため、身体を伸ばしたりする為のバー。 決して、ブイブイ言わせて懸垂をする為じゃない。 俺は、ありがたく懸垂をするために利用させて頂いております。 他にも、バランスを保つ為の細い木とか、腹筋台まである、俺の為にあるようなところだ。
 昼間は、近くの学生の昼食の場になり、夕方は、タクシー運転手の休憩場になり、運動公園として役割は、なーんも果たされておらん。 

 夕方、ランニングを終え、そこに行き着くと、大概、運転手のおっさんが休憩しているか、犬の散歩しているか、遅くまで遊んでおるガキが、飯の時間まで、サッカーやっておったりしており、俺がやっている懸垂なんぞに誰も気にかけん。 
 先日、珍しーく、某懸垂バーの前にある椅子にサラリーマンと思しき二人が座っておった。 両名とも二十代前半、運動は多分やった事がないであろう風貌。 俺が、ランニングを終え、汗だくで、懸垂をやっておると、懸垂に興味をもったのか、ぶり下がろうとするが、俺が休んじゃ、懸垂を繰り返しているから、気後れして、やれんでいる。 まぁ、どーせ、1回も出来んのだろうがな。 どこででもそうなんだが、懸垂をやっておると、普段、そんなことにまるっきり興味がないくせにやりたがるんだよなぁ、気の迷いで、出来ると思っているのだろうか? 腕立て伏せは、どうにかなるけれど、懸垂はさ、練習せんと出来んよ。 まぁ、良いんだけれどさ。 

 俺の懸垂は、背中を鍛えることが基本だから、フラットな懸垂じゃないよ。 身体を傾けて、肩甲骨を鍛えるか、バーを後ろに持ってゆき懸垂をするか、どっちか。 いつも、ここで、懸垂やっている間に蚊に食われまくるんさ。