復活の日

 世界で、コロナウイルスが席巻しておる。出始めは、いつものように中国国内で、抑え込めるだろうと思っていた。いつもの中国のとんでも映像が発信され、「やっぱ、中国はなぁ」と思い、中国だけの話だと思って油断してたら、徐々に浸透してきて、アジア圏を侵し始め、日本でも中国と変わらんような、買いもんのでの乱闘騒ぎがあり、「コロナになったから、道連れにしてやる」と街に出て、本当に道連れを作り、自分は、さよーならしてしまった。そして、ヨーロッパに広がり、アメリカさえもコロナ一色になった。ポーっとしてると、首を欠かれてしまう。日本も緊急事態宣言。

 俺んちの方の通勤電車はそこそこ未だに混んでいる。いつも同じ時間に顔を合わせる奴とは、「なんだ、お前、まだ在宅勤務じゃないのか?」と、お互い思っている。

 これだけ医療が進歩すれば、ウイルスにやられるなんて、小説や映画の世界だけの話だと思っていた。それも致死率が3%ほどのウイルスに!じわじわとボディブローのように効いてきた。そんな時期に再び、注目を浴びておると映画がある。「復活の日」だ。

 あれだ、あれ、角川映画の「復活の日草刈正雄が全盛期の映画だね。あぁ、今でも活躍しておるな。カッコよかった頃の稲刈真青。こりゃ違う、草刈正雄だ。春樹が角川事務所を発足させたのは、この映画を作りたいが為だったって知っていた?「犬神家の一族」でも「野生の証明」でもなく、「復活の日」だったのだ。キャッチコピーの制作10年というのは、盛った訳ではなく、本当に10年だったのだ。
 
 オープニング、南極と思しき海から、潜水艦がザッパーンと出てくるとこから始まる。まだ、80年代に入ったばっかの日本で、南極で撮影とは、スケールが大きい。アメリカが秘密裏に作ったウイルスが、東側に奪われ、ウイルス乗っけておった飛行機がアルプス上空で墜落し、あれよあれよという間に世界に広がり、医療は崩壊し、政府もなくなり、南極に居った連中だけが生き残るという話。思い出したか?

 オリビア・ハッセーが、吉住周三(草刈正雄)が戻ってくるラストシーンの「ヨシズミ~」のとこしか覚えていなかったから、「あぁこんなストーリーだったのか」と感慨深く見た。

 何故に注目を浴びたのか?まず、流行りだした場所がイタリアで、「イタリア風邪」と命名。そう、コロナで手酷くやられてしまったイタリアだ。そして、各国の医療崩壊、感染した莫大な量の遺体を街中に山積みにし、火炎放射器で焼き払う自衛隊。ここまで酷くはないけれど、昨今テレビで流れておるニュースの映像に近くないかい?それほど、人は死んじゃいないって?致死率が低くて、助かったよ。これが15%以上だったら、こんな流暢に自粛要請のくだらない議論なんぞしていられなかったよな。

 日々、コロナの感染者数が増えておる。ゆっくりと数字を上げて行き、最終的には収拾がつかんところまで行ってしまうだろうか?感染しそうで感染せず、感染しなさそうで感染する。そんな感じか。自粛要請が出ても、仕事に行かなければならない。確かにいつもの通勤電車よりは空いているけれど、2メートル離れながら乗っていられるような状態じゃない。
 徐々に網は狭くなっている。最初は網目が大きいから掛かることはない。徐々に網目は狭くなっている。そこに入る連中が増えてくる。志村けんが亡くなった。こんな形で亡くなるはずじゃなかった。季節の変わり目には、いつものように笑いを届けてくれるはずだった。
 感染してから、1週間から2週間掛かる。時限爆弾のようだ。そろそろ、俺の近くでも感染者が出るだろう。家族か、友人か、職場か?名前を知って、顔を知っている人だろう。

 感染には、一定の条件が必要、発症するまで時間が掛かる。症状が出なくてもウイルスは、感染させる。基礎疾患を持っていると重症化しやすい。ウイルスは発生したとき、完璧な状態で俺たちの前に現れ、それをどういう風に受け止めるかは各人自由だ。空気感染するわけではないから、とりあえずは、普通に生活が出来る。水が飲めなくなるわけではないし、食べ物も流通しておる。日本が駄目だからといって、アメリカに逃げりゃいい、インドネシアに逃げりゃいいという訳にはいかない、全世界で発生している。少しだけ我慢することが出来れば、収束させることが出来るかもしれない。それが出来ずにいる。まるで、ウイルスに試されているようだ。そんな気がする。