この一月

 結婚式が終わり、この一月は、かみさんの親戚周りをしておった。かみさんのおやじさんの具合が悪くなり呼べなかったけれど、当然だが結婚したことを喜んでくれている。家族になった新参者の挨拶もあり、顔見世に周っておった。 

 見知っておる人も居ったけれど、知らん人も居る。 初対面の人と接することは出来るが、それでも俺なりに緊張はする訳だし、疲れもする。 「どんな人なんだろう」とか「受け入れてもらえるかなぁ」とか人並みに思うのだ。

 友達の両親、兄弟でもなく、会社の部署違いでもなく、友達の友達というわけでもない。今までになかった知り合いの増え方をするのだ。子供の頃 「あんたは、覚えてないだろうけれど、可愛がってもらったんだよ」と紹介される、おじさん、おばさんが居り、記憶にこれっぽちも残っていないから、緊張したもんだ。大人になって、そんな感覚を味わおうとは思っていなかった。それなりに日々、新しい発見があるもんだ。

 俺の中では、家族は減ってゆく一方だったから、増えるということは、嬉しい限りだ。二人を祝福してくれたことが何よりも嬉しい。