そして、筋肉痛

 2月15日に婚姻届を役所に出してきた。 前日に書面を確認をしに役所に行った。 テレビのように 「結婚ですね、おめでとうございます」 とは簡単に受け取ってはくれんのだ。 目を皿のようにして、不備がないかどうかの確認が行われ、はじめて受理される。 不備があると、受理されず、修正で受理されれば良いが、決定的な間違いだと、始めっから書き直しになるのだ。 当日、休みが取れず、夜勤から出勤予定で、必ず、昼間にすべてを終わらせねばならなかった。 

 1時間ほど掛かり、無事受理された。 毎日、忙しくその日に向かって突き進んでいるようなもんだった。 それでも、彼女が俺の苗字で名前を記入して、「あぁ責任持たなければいかんのだなぁ」 っと思った。 

 そして、昨日、無事青梅マラソンを完走。 インフルエンザになり、2週間で練習をして、出走だったから、距離に慣れていないから、こてんぱんにやられるであろうと思ったが、その通りになった。 練習は、嘘をつかない。 やったら、やった分だけ答えてくれ、やらなかったら、そのようになるのである。

 3キロ地点で、猛烈な尿意に見舞われ、近くのトレイに行くも、俺と同じような連中が居り、1つのトイレに5人ほど並んでおり、俺の前は、女性ときてる。 こりゃ、時間が掛かるなぁっと思いながら横を抜けてゆくランナーを見ていた。 ドンドン抜かされてゆき、ふと見りゃ最後尾を確認しながら走ってゆく一番最後の警察官ランナーが! おいおいおい、完全なびっけやん。 

 そんな訳で、最後尾からのリスタートになり、いつもより多めに走っていますとばかりに抜かしまくり、ランナーが込み入っているポジションまで、必死こいて戻した。 結局、疲れすぎて、ペースガタガタだし、練習不足の悪循環、最悪の記録で、ゴール!! でも、これだけ込み入った日々、練習して完走できたのだから、嬉しかった。 とりあえずは、一段落だ。 

 そして、寝て起きると筋肉痛・・・。

戸籍謄本

 1年ぶりくらいにOH井町に行ってきた。 感傷にかられて、ぶらっと来たわけではなく、婚姻届を出すためにOH井町に置いてある戸籍謄本を取りに来たのだ。 サイタマンに引っ越したときに一緒に持って行けばよかったのだが、何となくこっちに置いておいた。 住んでおった証を置いておきたかったのかな。 
 
 婚姻届を出すということは、改めて戸籍を作るっちゅーことで、戸籍謄本が必要になる。 謄本ってさ、筆頭者死んでもそのまんまなのね。 おふくろが作った戸籍だから、筆頭者おふくろのまんまなんだ。 そーいった意味でも、残したかったのかな。 俺自身、ある意味で気軽に 「結婚しようか」 とは言ったけれど、実際動いてみるとだな、それなーりに責任を感じたりするもんだ。 

 50年間、東京に住んでおって、50過ぎてサイタマンにやってきた。 端から見ると、只のサイタマンなのだろう。 住めば都とは言ったもんで、登場線に乗って、越境してサイタマンに入ると、帰ってきたなぁっと思うようになっている。 

 久々にOH井町に降り立ったけれど、人がごちゃごちゃ居る感覚に懐かしさと、地元だという自信が沸いてくるっていうのかなぁ、変だけどそんな感じなんだ。 変わっても、ガキのころから親しんだ街だからな、帰ってきたなぁって思える。 広町、綺麗に無くなっていたね、取り壊すのにあれだけ引っ張っておったのに壊して、次のもんが出来上がるまで早かったな。 四季の劇場と、何かスポーツ施設が出来上がっておったな。 土地の起伏が唯一の名残かな。 商店街も立ち退きが決まっておるのか、シャッター商店と化していた。 俺もちょこっとづつこの街から離れてゆくんだろうなぁ。 

デェ~ロッ!!

 去年から今年にかけて、何回目かのクイーンブームがやってきた。 だが、今回のが一番デカイ。 ブームの火付けについては、どれだけ各世代のゼネレーションを巻き込んでゆくか? っちゅーことが重要だ。 映画の興行収益にしても、本の売り上げに関してもそーだ。 どれだけ多くの世代が知っておって買ってくれるかがブームを牽引する原因である。 一つの世代に受け入れられたもんは、スタバやマックで、ひっそり話題になってお終いだったり、もうちょい拡散するとネットの話題になり、ヤッホーニュースになったりと、その度合いによって扱われ方が変わってくるんだな。 テレビで扱われた頃にゃ、近所のおばさんが知っているレベルだ。 大ブームってことである。 

 今回のはデカかったねぇ、ネタ元が映画だからな 「ボヘミアン・ラプソディー」 ママミヤのあれ。 クイーン フレディーの数奇な運命と副題をつけても良かったな。 

 ガンダムや、ドラゴンボール、スター・ウォーズは、新作が出て各ジェネレーションにアプローチをかけて、新作によって、新しいファンを確保し、金を集金し財団を維持するわけだ。 しかし、新作が出ない場合は、なかなか難しい。 死んじまって、ネタがないのに新作を作り続ける場合もある。 まぁ音楽が一番多いよな。 有名なヤツでは、ジョン・レノンか。 死んでから小出しにアルバムを出しておったな。 ネタ切れと見えて、ベスト、リマスターの発売が顕著になってしまっておる。 頑張れ、オノヨーコ。 マイケル・ジャクソンも可愛そうに財源確保のネタ元になっておる。 もう1、2枚新作と称してアルバムが出てきそうだな。 プリンスもこれから頻繁に出てきそうな感じだが、エピックと仲たがいし、版権を持っておらんから原版からリマスターが出来ないのは痛いなぁ。 どんなに頑張っても、原版からリマスターせんと良い音は確保できん。 

 さて、今回の映画、ボヘミアン・ラプソディーであるが、オープニング、ライヴ・エイドに向かうメンバーのシーンから始まる。 はっはぁ終着点は、ここだなっと分かる。 それでも、ステージの袖口か見える観客のシーンは、なかなかの圧巻である。 映画を見る前にライヴ・エイドをおさらいしておったから、この映像がないことは判っておる。 この映画で使われておるライブ・エイドのシーンは、すべて改めて撮り直したことが伺える。 個人的にちょっと残念なのが、そこまでやるんだったらライヴ・エイドそのまんまのアングルで撮ってもらいたかったんだよなぁ。 

 こーいった部分もそーなんだが、映画としての部分のこだわりなんだろう。 変な話だが、前評判で泣ける! と謳われておったから、いつ泣けるいつ泣けると身構えちまったよ。 結局最初っから、最後まで泣けんかったよ! なんだろう、知りすぎておったから、「おぉこー持ってきたか」 とか 「こーするか」 とか思うほうに気が行ってしまい、結果純粋に感動は出来んかった。 

 それでも、細部にわたり、よー出来ておる。 バリライトを使ったステージの再現。 閣下の着る衣装の再現、バレエのポーズ最高!! ボヘミアン・ラプソディーのプロモ撮影も、ロジャーが左側に傾いておるのまでちゃ~んと再現。 そして、閣下、ブライアン、ロジャー、ジョン役の頑張りだな。 ブライアン、ジョンは、クリソツだった。 特にジョンの上目遣いとちょっと猫背が絶妙だな。 4人ともステージアクションに関しては、よー頑張ったね。 

 さて、俺が何故に感動出来んかったか? それは、事実の方を重んじてしまっているからなんだろう。 映画だと、ライヴ・エイドの演奏は急遽決まり、ライヴ活動もしておらんかったってことになっておるけれど、実際は、レディオガガツアー終盤じゃなかったっけ? 仲も悪くなかった。 クイーンってさ、大人のバンドだから、喧嘩はしないんだと思う。 なーんとなくメンバーと会わなくなって、妙な空気になることはあっても、言葉に出して悪くなることはないんじゃないのかな。 

 クイーンが実際、結束するのは、ONE VISIONからだ。 そこからもう一つのドラマがあり、終焉に向かってゆくのだ。 だからといって、映画が悪いといってる訳ではない。 映画としては、良く出来ている。 閣下のバイセクシャルの苦悩。 名曲誕生のエピソード。 ウェンブリー・スタジアムの俯瞰からの映像。 
 クイーンを深く知らない人にとっては、ライヴ・エイドが終わった先を想像しながらエンディングを見るわけだ。 そこで、涙するんだろうなぁ。 そんなこんなで、俺と彼女もクイーンブームに踊らされ、日々クイーンを聴いておるわけです。 

 それで、今更判ったことなんだが、ブライアンのギターが計算された音作りだったということに30年以上掛かって判ったよ。 ブライアンのギターの音をはじめて聴いたとき 「何て、腰の抜けたギター音なんだ!」 と思った。 その頃、ディストーション、ギュイ~ンのKISSの音ばっか聴いておったから、受け付けなかったんだね。 改めてクイーンとしてのアンサンブル、オーバーダブしたギターの音を重ねる場合、あの音じゃないと何をやっておるのか、さっぱり判らんことになる。 あのバイオリンのような音だから、重ねると、ストリングスのような感じになるんだな。 あの音は、かなり苦心して作り出したんだろうなぁっと通勤電車の中で気づいたよ。 すまん、ブライアン・・・。 

反省しないヤツ

 年末から、公私共に忙しく、間を縫って例のようにレースに向け走っており疲れ溜まりまくりで、そろそろヤバイかなぁっと思っていたら、火曜日の夕方から咳が出始め、翌日の夜には、高熱が出て、病院へ行ったら、鼻に検査棒を突っ込まれ、インフルエンザA型決定! 

 先生が 「1年ぶりの来院ですねぇ、前回もインフルエンザでしたねぇ、今回は、A型です」 と来たもんだ。 土曜日の予定だったレースは、参加不可になり、自宅で安静にしておる。 つくづく思うが、彼女と一緒に住んでおって良かったよ、インフルとかで一人暮らしだと、どーにも出来んよ。 本当、ありがたい、感謝感激あめあられです。 同じ部屋にインフルエンザがおるのは、本当大迷惑な話だよ、おやじさんに感染させちゃいけない時期だっちゅーのにだ。

 結局、疲れて、自分自身の体力気力目一杯やったとしても、肉体が根を上がるんだよね、普段だったら、インフルエンザのウイルスを跳ね返すだろうが、その力がないから発症してしまうのだ。 性分として、限界一杯までやっちゃうんだよな、周りからすっと傍迷惑なヤツだよ。 

 今は、復調させ2月の青梅マラソンに如何に調整してゆくかと、懲りもせずに考えておる。 青梅に関しちゃぎりぎり一杯のきつい練習になるんだから、気にしちゃいない、とりあえず、走りたりだけかな。 全然反省してないだろ! 

年始だな

 あけまして、おめでとさん、今年もよろしく。

 年末から年始にかけて、目まぐるしく日々が過ぎていった。 その中でも、彼女のお父さんが癌であることが発覚した。 末期癌のようである。 消極的に受け止めてしまい、悲観していたようだが、家族の励ましもあり、前向きに病気と向き合うようになったようだ。 経験から言うが、何かあった場合、一人でも家族が多いほうが良い。 

 俺自身は、年明けに結婚の承諾を受けに行くつもりだったが、こんな時期だから、こんな話を持ってゆくのもなぁっと思ったが、逆にちゃんと承諾を受けなきゃ駄目なんじゃないか? と思い立った。 

 そんな訳で、本日、彼女の両親に 「彼女と、結婚させてください!!」 と、スーツを着込み、挨拶に行った次第です。 「はい、判りました」 と返事をもらった。 とりあえず、よかった。 
 
 家族が増えるということは、色々なことが起こるとも含んでおるが、みんなで解決することも出来るのだ。 家族は、多いほど良い。 

年末だな

 命日の2日遅れで、弟の墓参りに行ってきた。 いわゆる法事は、命日に行わなくてもよく、前後の都合のよい日に行えばよいのだ。 早いもんで、19年になる。 彼女と一緒に墓参りをし、帰りに彼女のおじさんのところに行き、おばさんの具合が悪いからお見舞いにゆくことになっておった。 付いて早々、入り口で、人が居って忙しない雰囲気だった。 おばさんは、数年前から具合が悪く、在宅介護になっていた。 それがここ数日、寝たきりになってしまい心配だと、彼女に連絡をしてきた。 

 俺は、一度しか会っておらんが、物怖じする方ではないので、行こうと言われれば付いて行く。 介護のケアマネージャーと、娘さんが居った。 意識がなく、危ない状態になっていた。 入って早々、「失礼ですが、どなた様ですか?」 と聞かれる。 当然だよな、会ったことないんだからさ。 こんな時に自己紹介っていうのも、ばつが悪い。 そこから、4時間ほど、そこに居って、順番にやってくる家族の人を迎えて、挨拶をすることになるのだ。 いずれ、挨拶はせにゃならんかったけれど、このシュチュエーションは考えておらんかった。 

 そして、翌日、おばさんは亡くなった。 

 通夜、告別式に日取りを気にしておったら、今度は、彼女のお父さんが癌だと連絡を受ける。 身体の調子が悪いとは、聞いておったが、年末押し迫って色々あるもんだ。 病気になると、本人も大変だが、家族も大変だ。 それは、経験からよー判る。 お母さんの気性で、入院すれば毎日通うであろう。 

 生きておれば、色々起こることは、山あり谷ありの人生から知っている。 この手のことには、免疫が出来ておる。 何事も、収まらないことは何もなく、収まるべき場所は、用意されておるのだ。 気にするに値しない。 俺の出来る手助けをやればよいのだ。 

毎年恒例の高尾山

 昨日、毎年恒例の高尾山のレースに出た。 オンシーズンのスタートは、このレースと決めている。 これを足掛かりにレースを組んでゆく。 レース自体を2年近く出ていないから、きついレースになることは想像できるのだが、どんなレースであっても苦しいことに変わりはない。 今年は、レースのスタートしての意味合いだけではなかった。

 練習はしておったけれど、思っていた量はこなせておらんかった。 いつものことだといえば、いつものことなのだが、一緒に住むようになって、生活のサイクルが微妙に変わっているから、その隙を縫って練習を重ねておった。 仕事もそこそこ忙しく、大変だといえば大変だ。 まぁ、マラソンでも、野球でも、サッカーでも、仕事をしながらやっている連中は、俺と同じように隙を作って練習しているのであろう。 贅沢を言ってもしようがない、出来る限り練習をやるだけである。 

 練習が思ったように積みあがっておらんと、不安だけは大きくなる。 ちゃんと完走出来るんだろうか? というヤツだ。 練習が足りておらんと、太腿が攣ったり、膝が痛くなったりと形となって現れる訳だ。 練習のときは、無理なんぞせんから、そーいったもんは出ない、レースになると、相手があるもんだから、どっかで無理をするんだな、結果、怪我をしたり、故障をしたりする。 

 高尾山は、それほど遠くもなく、まだ寒い時期でもなく、スタートが昼からだということもあり、応援に来てくれる。 応援されると、なるべく早く帰ってこようと思う。 

 よい天気である、湿気もなく快晴!! レース日和だ。 今年は、コースが若干変わっているようだ。 例年、私立高校のグラウンドからスタートして、山道に入ってゆくというコースなのだが、今年から山を登る前の中学校が集合場所になっておる。 まず、山に向かって走り出し、それから山道に入るという流れになっておると思われ。 坂の途中からスタートするんじゃないかと思っている。 ロケットスタートだ! いきなり、坂から走り出し、山に抜けてゆくという一番嫌なパターンである。 いつものように横で、彼女がカメラを構え、俺のスタートの表情を撮っておる。 スタートラインが狭いから真横から写している。 にこやかに手を振っておるが、「あぁまた苦しいのか」 と自分から申し込んでおるくせに腹の中では思っているのである。 後ろからは、「なんだよ、坂からのスタートかよ、やる気なくすぜ」 と聴こえる。 分かるよ、分かる、でも、走らなきゃなんねぇーんだ。 

 このところ、靴に四苦八苦しておる。 自分に合ったシューズを見失っておる。 帯に短し、襷に流し、大きすぎたり、幅が広すぎたりしておる。 自分自身が思っているよりも足の幅が狭く、長さが短いのかもしれない。 縮んだか? 練習で履いておったシューズが、ちょっとばかり大きすぎて踵がずれるから、買い換えたんだ。 結果、初心者用シューズになってしまった!! サイズの関係だったんだけれどな。 安売りから選んだから、それしか選べんかったのだ。 

 そんな感じで、走り出した。 300メートルくらいアスファルトの坂を登り、左手に折れ山道に入ってゆく。 登坂を一斉に登り始めた。 のもつかの間、渋滞に捕まり、歩いて登ってゆくことになる。 

 そして、下りを数キロ下がり、登り、この登りの頃には、へばったおった。 練習不足覿面だな、致し方ない。 後半に下りが待っているから、それに向けて力を温存し、走った。 緩やかな下りを走っておったら、左太腿裏が攣りそうになってきた!! ヤバイと思い、落ち着くまで止まって待った。 ここで、太腿が攣ってしまったら、走れないだろ? 何とか調子を取り戻し、再び走り始める。 

 残り、4キロになり、今度は、右の脹脛が攣りそうになった。 これ又、止まって 「大丈夫、大丈夫、まだ走れるだろ?」 と足にお伺いを立てる。 そして、ラスト1キロになり、スパートをかけた!! 攣りそうになっているのに何故にスパートをかける? そして、500メートル手前で、両足脹脛が攣りそうになる!! 最後の悪足掻きで抜かしたランナーに抜かされながら、足の調子が戻るのを待つ。 このまま、戻らんかったら、歩いてゴールするのか? カッコ悪いだろ。 

 ゆっくり走り出す、ちょっとバランスを崩すと、攣りそうになる。 よし、頑張れ頑張れ、あとちょっとだ、下りきり、コーナーを回るとゴールが見えた。 よし、スパートと思ったら、俺の前をじいちゃんが走っておる。 抜かすだけの力はあったけれど、ここで抜かすと、大ブーイングが起きそうだ。 じいちゃんがゴールしてから、入った。 

 ゴール左手にカメラを構えた彼女が居った。 ニコニコしながらカメラを構えておる。 彼女に抱きつき、「ごめん、遅くなっちまった、まいったよ、あと500メートルでさ、足攣りそうになっちゃって」 こりゃ、ケツから数えたほうが早いくらいの記録だな、まぁいいか。 俺には、他に目的があった。 

 ゴールラインを少し越えた所で立ち止まり、俺は 「結婚してください」 と言った。  少し、驚いたような表情をして 「はい」 と答えた。 良かった、良かった、断られたらどーしようかと思った。 今回は、このために走ったのだ。 俺たち、結婚します。