最近のお気に入り

 ある程度歳がいってから今持っているCDで音が気に食わないヤツを片っ端からミックスをし直そうって考えておった。ミックスするソフトもある程度高いし、機材もないからまだ先だなあって思っていたんだけれど、フリーで良いソフトが見つかってだな、それでセコセコ内職をやっておるんだ。
 
 やってみると分かるがどういう風に音を録っているかってことだ。何気なく聞いていると、気づかんことまで気づくようになる。今まで聴いていて、これって凝っているなとか、これ簡単すぎとかが分かるようになってくる。ポップスっていうのかな、あれはそれなりに音がしっかり録られているから、聴けるし、ミックスしやすい。逆にオーバープロデュースっていうのかなぁ音がギリギリ一杯に出ていたり、ギターの音が大きかったりすると、ミックスがしづらくなってくる。ボストンは、まぁ凝っているな、ミックスするとよー分かる。音が厚すぎて処理しづらい。ハードロックは全般的にそうだな。まだ、ミックスの小手調べだから、もっとできる機能があるから、部分的にギターの音を下げたりできるんだよな。
 慣れるまでももうちょい時間が掛かる。かみさん曰く「良いおもちゃを手に入れた」ってことらしい。

ビリージョエル One night only in Japan in concert

 ゆっくりと周りを見渡し、客の入り具合を確認する。2024年1月24日開演1時間前、入りはまだまだだな、有給取ってくるヤツ、仕事リタイヤしたヤツ、家族総出で来たヤツ、俺たちのように夫婦で来たヤツ、ここにいないが時間を気にしながら仕事をやっつけているヤツ、そしてここに来たいが理由があり来れない連中、色々な思いがここ東京ドームに集まってきている。そして俺たち夫婦は去年の9月には運良くVIP S席を手中に収め前から3列目に鎮座している。

 ビリー・ジョエルが観てぇビリー・ジョエルが観てぇとかみさんに何かにつけ言っていたのかもしれない。かみさんから「ビリー・ジョエル来るみたいだよ」と言われた。まぁ当然だが俺もその情報は入れておった。月に数回定期的に「ビリー・ジョエル来日」と検索していたからだ。検索してみっと分かるが以前情報がしれっと出てきて「おぉ」と思わせぶりな検索画面には2008年の来日情報が出てくるというお約束が何度あったことか!だからマジもんの来日決定を受けた時の俺が夜中の職場で「やったー!!来るじゃん!」と吠えたのは言うまでもない。ビリーも来年の7月で月一のマディソン・スクエア・ガーデンも終わるらしい、こりゃビリーのためにNYに行くしかねぇかとマジに考えていただけに嬉しさ一入だぜ。
 
 それから俺は作戦を練った。一夜限りのライヴで東京ドームはしようがない、百歩も二百歩も譲ろう、だからこそアリーナで観るしかない。どうするか?HPに詳細情報が出た。ビックリしたねぇS席3万円くらいは範疇だった、そりゃしゃーないだろ円安の何でもかんでも上げやがってバカヤロー状態だしようがないと思っていたが、S席24000円の上にVIPがあり、更にそこでSSとSで分かれているときている。そしてSS席10万円!!S席5万円!!来る連中がおっさん、おばさんの金持っている連中しか来ないと思って足元見やがって!さてどうするか?かみさんと二人で観に行くことは、はじめっから決めていたけれど、10×2=20か5×2=10?うーーん、さすがに20万円は出せんな、VIP S席×2=10万円に決定!
 HPを見ると会員先行予約なるものを見つける。何々ウドープレミアムメンバーになると先行予約があり、VIP席とバルコニー席のみの先行ではないか!こりゃ迷わずプレミアム会員になるしかありません。プレミアムであっても抽選という呪縛からは逃れられないのだ。速攻会員になり臨戦態勢OKだぜ!一応この段階でかみさんに確認をする「ビリー・ジョエル2枚チケット取るよ、いいね、VIP S席で5万円×2枚=10万円だけどいいね?」オールイエスの返答で作戦は進行していった。
 
 そして、抽選結果当日がやってきた。抽選結果はメールにて報告ってことになっているが、結果が出る前にクレジット決済が来る、俺のクレジットカードは使うと速攻でメールでお知らせが来るシステムになっているのだ。だから当たれば先に決済報告がやってくる筈だった。UDOはチケットぴあを介して販売している。チケットぴあを利用したことがあってご当選となると15時くらいには「当たったぜ、あんた」っていう当選決済メールが来ることが分かっていた。だが16時を回っても来ない。はずれたか・・・チケット争奪戦が激しいことは分かっていた、致し方ないが「はずれたかなぁ」「まだ、分からないでしょ」とかみさんに励まされる。「VIPはずれたら、S席取るかどうかだよなぁ、範囲広すぎっからどこ持ってかれるか分からないんだよ」ナーバスなおっさん。
 17時回ったあたりで、ブーブーとスマホのバイブが鳴る、もしや!「当たったぜ、あんた」メール到着!「当たった!!やったーー!!」おっさん勝利の舞。かみさん呆れて見ていた。アリーナ決定!!

 そして、俺たち夫婦は去年の9月には運良くVIP S席を手中に収め前から3列目に鎮座している。東京ドームのライヴの席列は、検索すると出てはいるんだけれど、本当にそれが正しいかどうかは当日、ドームに行かんと分からん、今までの席順から考えると、多分前から3列目の筈だと思ってはいた。かみさんにも「多分だけれどな、前から3列目っぽい」と言っておいた「でも、分からないんでしょ」その通りです。でもやっぱり3列目でした。ステージをまじまじと観ちゃった。センターより若干左手だけれど、ステージ全体を観ることは出来る、俺が観た中で一番良い席だ。ロックの神様ありがとう、もう悪いことはしません。ロードクルーがせっせこせっせこステージの準備をしておる。「もう少しすると楽器の音出しが始まるよ」外タレのライヴ初めてだから色々指南しておった。音がデカいこと、サービス精神旺盛で楽しませてくれる、始まる瞬間観客の歓声がドォォォーーンと聴こえる。俺は、何回ライヴに来てもそーだけど、この観客の待ちに待っていたんだよこの瞬間をというドォォォーーンという歓声が大好き。もちろんの俺の歓声も混じっている。みんなとライヴ、よく行ったよな。ホント楽しかった。

 「1曲目何やっかなぁ?」ライヴ1週間前くらいからセットリストが話題がSNSなどで話題になり、みんなやってほしいセットリストを作成したり、予想したりしておった。話題の第1位はHONESTY、THE STRANGERをやるかだった。日本贔屓のビリーやってくれるだろう。そんな話題で盛り上がっている中で、ビリーが新曲を出すらしいという噂が流れた。そんなのが流れたもんだからセットリストより、その新曲をライヴでやるかのか?なんちゅー方向に流れてしまった。2月1日にやっぱ新曲出ます!Turn The Lights Back On!
 さて、ONE NIGHT ONLYツアーのセットリストは決まっていた。その中に日本独自のリストを入れてくれるかだった。俺は1曲目に大穴HONESTYを推していた。しっとりさせてノリノリの曲をやるという流れ。かみさんもHONESTYが好きで生で聴きたいと願っていた。

 「始まる前の曲は決まっているから大丈夫、これは違う」映画ナチュラルのエンディングテーマが導入曲だというのは知っていた。後ろを振り返るとアリーナからスタンドまでほぼ観客は埋まっていた、いつでもこーーいビリー!そして、ナチュラルのエンディングテーマが流れ始めた。

 瞬時に立ち上がり!「おーーっ来るぞ来るぞ!」と俺や、知っている観客大騒ぎ!!「やる前に暗転するから!」っとかみさんに早口で説明。そして、暗転!!!「ほぉぉぉぉぉーーー!!」俺の奇声。ドームはドォォォォォーーンという歓声に包まれる
 かみさんを見ると必死に誰かに手を振っておる!「どうしたの?」「ほら、手を振ってくれてる!」目をやると、おぉぉビリーバンドのキーボードのデヴィッド・ローゼンタールが袖口から手を振っとる!俺も負けじと手を振る、おぉぉ今度は、ギターのトミー・バーンズが振っとるではないか!!アリーナの特権だぜ!
 ドラムのフィルインと共にベースのオクターブコードが流れてくる、MY LIFEだ。俺の大好きな曲だ。そしてビリーの弾くベートーヴェンの第九と共にMY LIFEのイントロに変わってゆく。「ビィ~リィ~!!!」かみさんの絶叫である。ちょっと驚いた、こんな大声出すんだ、俺も出しちゃおうっと「ビィ~リィ~!!!」ホーン担当のマーク・リヴェラ、カール・フィッシャーが良い感じに入ってくる。18年ぶりのライヴのMY LIFEだぜ。勝手に俺のテーマソングだと思っている。
 
 俺は大丈夫だから、心配などしないでくれ
 ふるさとに帰る時期だなんて言わないでくれ
 もう君のいうことなんて気にしない
 これが俺の人生なんだ
 自分の人生を生きてくれ
 俺のことは放っておいてくれ
 
 結婚式の時に流そうと思ったが詩の内容を知っているだけにかみさんに知られたら「どういう意味?」って詰め寄られるから流さんかった。結婚式に流した曲はちゃんと意味を知って流してあったからね。最後のブリッジのところの間奏でお約束の「バカヤロー」出ました、ありがとうございます。

 久々のライヴである、歳も食った、2時間ちゃんと吠えて叫んで腕振って歌って踊っていられるだろうか?下らん心配をしている。かみさんは膝を痛めているから長時間立っていられるかなぁ、この日を迎えるためにちゃんとトレーニングしとけやと、俺の言葉を胸に秘めながらかどうかは分からんが筋トレをしておった。さあその努力が報われる時だ!!

 2曲目はMOVIN’ OUT、THE STRANGERの1曲目だ。

 そんなの時間の無駄というものさ
 もし、それがすべてならね
 それが出世だというのなら、僕はごめんだ

 ビリー・ジョエルは穴が開くほどに訳詞を読んだから頭に叩き込まれている。多感な時期を一緒に過ごした。色んなことを小さな間抜けな頭で考え、浅はかなことを多々した。まだ、本を読まんかった俺にとっての師だったな。影響も受けた。ジーンズに安物のYシャツを着てじいちゃんからもらったネクタイを締めてビリーが着ているジャケットに似た柄を買って着込んだ。52nd streetのジャケットの格好をマネたのだ。十代のガキにしちゃちょっとおしゃれだろ。
 
 そして、HONESTY。30年前にかみさんがHONESTYが好きで当時のレンタルレコードで52nd streetを借りてアルバムからHONESTYだけを抜き取ってテープに入れたらしい。俺もそうだったけれど、ヒットした曲が好きでアルバムを借りてきて、聴いてはみたけれど他の曲が思った程よろしくないってことはよくある。俺もアルバムを借りてきて全部を取らずに好きな曲だけをチョイスするということをしておった。まぁアーティストに対して失礼なことだよな、1曲だけ見ないで全体を見てくれよって。でも大丈夫でーす、かみさんビリーのアルバム隅から隅まで聴いてます、多分。
 
 HONESTY、HONESTY、HONESTY。友人が死んだときもビリー・ジョエルを聴いていた。HONESTYが流れたら涙が流れた、詩の意味は知っている、内容とまるっきり合っていないだ、でもこのメロウな感じににやられたんだ。それからというものHONESTYが流れると、ちょっとばかり涙ぐんじまう。元々HONESTYは敬遠しているんだがもっと敬遠するようになった。かみさんに「やったね」と声を掛けた。

 ミック・ジャガー登場!Start Me Upのイントロが流れた瞬間、大歓声!同世代だからご存じの曲である。俺の周りみんな歌っていた。

 そしてINNOCENT MANに入ってゆく。「高音が出なくなっちゃったけど、よろしくね」いやいやしっかり出ていますよ、高音に入る前に苦しそうな演技入り。

 メンバーが前に出てきて「ちょっとウォーミングアップをやるよ」とThe Lion Sleeps Tonightをみんなでペロッとやって、THE LONGEST TIMEをドゥーワップを披露。
 
 この後、ネットでほとんど指摘していないけれど、ベートーヴェンの第7番の第2楽章をこれ又、ペロッとビリーが弾くのだ。ビリーの基本ってやっぱクラシックなんだろう。それを基盤にしてのロックンロール。今回やんなかったけれど、ピアノの強烈な連符で始まるpreludeなんてクラシックが基本になかったら弾けないよな。イメージ的にはライトハンドのハイスピード版って感じ。

 ここまではマディソン・スクエア・ガーデンライヴのセットリストにHONESTYを入れてみましたって感じでその後も流れて行く。

 「次の曲は・・・ピアノの中にある」とごそごそと探し始め、「ALLENTOWN」ありゃ、これNYでやっていないんじゃないのっと思った。これも好きな曲だ。かみさんに詩の内容は炭鉱閉鎖した街の話って感じだよって説明した。高倉健をイメージしちゃ駄目だぜ。

 ジャージーなピアノのあとNEW YORK STATE OF MIND。ガキの頃、ビリーファンだったらNEW YORK STATE OF MINDを抑えておかないとみたいことを言われていたから探して聴いてみたが、当時印象が良くなかったんだ。当時、メロウな曲、好きじゃなかったからな。でも、今は好きだ。俺のNYの思い出にもリンクしている。ビリーバンドのINNOCENT MANからの古株マーク・リヴェラのアグレッシブなサックスが炸裂する。ちなみにかみさんはリヴェラの大ファンである。俺も今回のツアーでリヴェラが観れて嬉しかった。

 そして、THE STRANGERのイントロに導かれリヴェラの哀愁漂う口笛が添えられ、ドームは最高潮である。日本でTHE STRANGERをやるか?ちゅーのがちょっとした話題だった。当然やるであろう、日本びいきのビリーであるTHE STRANGERが特別人気がある曲だってことも知っている。静かな展開からハードな曲に移るという楽曲に俺は弱いのだ。ヴァンヘイレンのlittle guitar、スティックスのCome sail away、ガンズのparadise cityなどなど。

 ビリージョエルの「bun bun bun」という拍子と共にスネアバスのドッドッドドチャ ドッドッドドチャと流れSAY GOODBYE TO HOLLYWOODが始まった。俺は朝からSAY GOODBYE TO HOLLYWOODがずーーーっと鳴りぱなしだったんだよ、ライヴ前に入ったステーキハウスでもかみさんに「ずーーーっとSAY GOODBYE TO HOLLYWOODが鳴ってるんだよ」って話を聞いてたんじゃないか!!思わず「これはレアだよ」と言ってしまった。日本では初来日以来やっていなかったらしい。

 次は電話のプッシュ音(もう死語だな)のSEが流れ、邦題の「真夜中のラブコール!!」ってかみさんに叫んでしまった!SOMETIMES A FANTASYこれもレアだろ。嬉しい誤算ですよ。ビリー、やっぱあんた日本のファンの心を知っとるね。みんなで簡単な、オオ オオってところ大合唱。俺はラストのギターソロでヘッドバンキングしておった!!もぉー最高!!

 俺のビリー大好きな曲ベスト5に入るSCENES FROM AN ITALIAN RESTAURANT。これも緩やかな展開から盛り上がってゆく、俺の大好きな展開だ。詩の内容も曲に合わせて展開してゆくんだ。情熱的に出会った二人が周りの制止も聞かずに一緒になって、ほろ苦い別れを迎えるが今でも関係はそれなりに良好っていう話。この曲を聴いて、1曲の中でこれだけのストーリーを展開させることが出来るのかずげーなぁっと思ったもんだ。そしてここでもマーク・リヴェラの熱い熱いサックスソロが聴ける。

 そして問題のPIANO MANに差し掛かる。何故問題か?ビリーのライヴではPIANO MANを大合唱するっちゅーのがお約束になっておる。2008年のツアーではビリーから「マイクロフォンが必要かい?」と言わせてしまっている。これはいかんだろ、今回はそんなことにならんようにかみさんに「せめて、せめてPIANO MANのサビのフレーズだけは覚えておいてね」とミッションを授けておった。俺はライヴの数日前に職場に歌詞カードを持ち込み練習しておった。ガキの頃、好きだった曲は歌詞見て歌いこんだけれど、十代でPIANO MANを愛唱歌にせんよ。

 首にハーモニカをセッティングし「いいかぁPIANO MANやっちゃうぞ、ちゃんと歌えや」と雰囲気を出す。そして It's nine o'clock on a Saturday と曲が始まる・・・おおおお、みんな歌っとるやんけ、順調順調。ビリーも時々、声のトーンを落として歌っているか確認している感がある。みんな、歌えー歌うのだぁーー!

 最後のサビに入る前に演奏が止まり、観客だけになる。

 Sing us a song you're the piano man
 Sing us a song tonight
 Well we're all in the mood for a melody
 And you've got us feeling alright

 俺は見逃さなかったよ、キーボードのデヴィッド・ローゼンタールニコニコ笑っていた、俺たち合格でしょ合格。

 ここまで観て思ったのは「これはジャパニーズエディションのスペシャルライヴだ」ってこと。アンコールの拍手は止まず!時計に目をやったら、21時になっていた!驚いた驚いたもう2時間経っているやんけ!かみさんも俺も立ちっぱなしで2時間だ。「大丈夫?」とかみさんに聞く「ビリーが頑張っているのにあたしが頑張らない訳にはいかない」さすが体育会系。俺も叫んで吠えて歌って踊って2時間立ちっぱなしは耐えられるかと思ったけれど、気にすることナッシンですよ。アリーナの力だな、スクリーンじゃなく生眼で観れるってことが大きい。

 そしてアンコールはWE DIDN’T START THE FIREで始まった。後期のビリー最大のヒット曲じゃないか。詩も面白いしな。有名人、1年毎の印象的な出来事が唄われておる。スクリーンにはスマホの画面を指でちょいちょいとやって詩に合わせて切り替わってゆく。考えたねぇ。

 日本で人気のUPTOWN GIRLをやった。これもジャパニーズエディションだな。そして、IT’S STILL ROCK N ROLL TO ME、BIG SHOTと畳みかけるようにノリノリの曲を繰り出してゆくのだ。俺はビリー大丈夫か?と気にかけてしまった。70年だからエンターテインメントの世界に居るから、どうすればみんなが喜ぶかをよー分かっておる。
 
 最後はYOU MAY BE RIGHT!これもお約束だけれど、ビリーがタオルをポーンと投げて床に着いた瞬間にグワシャーンとガラスの割れるSEが入る。ドームは俺たちのエネルギーの末端の燃えかすまでも燃やし尽くしてやろうというビリーの策略にはまってしまっている。大丈夫だぜ、俺たちゃどこまでもついて行きますぜ!!これがラストの曲だってことが分かっているから歌って吠えて叫んでいる。

 途中から、どっかで聴いた曲が流れてくる、ZEPのROCK 'N' ROLL!!「ほぉぉぉぉロッケンロール!!」と内田裕也並の高音で叫んでしまった。良いね良いね良いね。アリーナ周辺大合唱!さすが同世代だぜ。そして、どんなものにも終わりはやってくる、当然、今日のこの夢のような時間も終わりがやってくる。

 去年の11月23日に友の訃報を聞いてから激しい波の中を漂いながら過ごした。何にでも終わりはやってくる。喜びばっかじゃない、悲しみも痛みも当然あるのだ。半世紀以上生きてくるとそんな経験はそれなりに積んでくる。話せばみんな相手の胸の内を理解する。色んな思いを持ってここに来ているんだろうなぁ、共通することは、みんなビリー・ジョエルが好きだってこと、人生の断片をビリーの曲と共有している。ありがとうとしか言いようがない。いやぁ良いライヴだった、俺が観た中で最高のライヴだった。全盛時じゃないけれど、そんなことは関係ないんだ。

 色んな思いを持って、みんな家に帰るんだろうなぁ。あとから書き込みとかをチェックすると、まぁやっぱ日本全国から集まってきていたようだ。その日、寒波が到来し北の方面は大雪に見舞われ、来れるかどうか?っちゅー感じだった。それでもみんな集まってきた。凄いよな、日本全国から44000人を集めて感動させちゃう人がこの世に居るってことだよ。人って凄いね。

 「5万円の価値があったね」と俺「5万円以上の価値があったよ」とかみさん。

 「そういえば結局、新曲やらなかったね」


 おまけ

 ライヴ終了後、いつものようにエリア別退場なんだが、VIPだから先に退場できるかと思ったら、SSが先に退場し、そのあと待てど暮らせどVIP S席の退場は呼ばれんかった。アリーナの退場ルートってグラウンドに出るルートだから関係者しか通らないとこだから急な階段を上って出るんだが猛烈に急で足が悪い人にとっては難所なんだ。そこで詰まってしまって駄目なんだろうと踏んでいた。

 しゃーねぇーなぁっと思って座って待っていたら、ステージ側から怪しい視線を送る外人が居った。アリーナの客を眉間に皺を寄せ見入っている。観客側に居ったら超怪しい人物だがステージ側に居るからローディーだろう。何しとるんだろうと思ったら、最前列の客をちょいちょいと呼ぶ。客も怪訝そうに近寄ってゆくと後ろからドラムのスティックを取り出し観客に渡す。観客一瞬何が起きたか分からなかったが理解し、声を上げ喜ぶ。今晩、ドラムのチャック・バーギローディーが使ったスティックだ。スマホでその姿を撮り、観客に交じって更にと撮り去っていった。
 粋なことをやるなぁっと思いながらかみさんと二人で見ておった。あぁ何故か全然うらやましく思わなかった、逆に何故か良かったねと思った。普段なら、欲しいなぁ俺にくれねぇかなぁと思うが、俺自身が至福の時だったからかなぁ。まるっきり思わんかった。

 結局、VIP Sは観客席がガラガラになった頃に呼ばれましたとさ。お疲れさまでした。

 

01. MY LIFE|マイ・ライフ
02. MOVIN’ OUT|ムーヴィン・アウト
03. THE ENTERTAINER|エンターテイナー
04. HONESTY|オネスティ
05. ZANZIBAR|ザンジバル
06. INNOCENT MAN|イノセント・マン(冒頭にザ・ローリングストーンズ「Start Me Up」)
07. THE LONGEST TIME|ロンゲスト・タイム
08. DON’T ASK ME WHY|ドント・アスク・ミー・ホワイ
09. VIENNA|ウィーン
10. KEEPING THE FAITH|キーピン・ザ・フェイス
11. ALLENTOWN|アレンタウン
12. NEW YORK STATE OF MIND|ニューヨークの想い
13. THE STRANGER|ストレンジャー
14. SAY GOODBYE TO HOLLYWOOD|さよならハリウッド
15. SOMETIMES A FANTASY|真夜中のラブコール
16. ONLY THE GOOD DIE YOUNG|若死にするのは善人だけ
17. THE RIVER OF DREAMS|リヴァー・オブ・ドリームス
18. NESSUN DORMA|誰も寝てはならぬ
19. SCENES FROM AN ITALIAN RESTAURANT|イタリアン・レストランで
20. PIANO MAN|ピアノ・マン

ENCORE
21. WE DIDN’T START THE FIRE|ハートにファイア
22. UPTOWN GIRL|アップタウン・ガール
23. IT’S STILL ROCK N ROLL TO ME|ロックンロールが最高さ
24. BIG SHOT|ビッグ・ショット
25. YOU MAY BE RIGHT|ガラスのニューヨーク

虚空を見上げる

 普段、何気なく生活をしていると、死ぬなんてことはこれっぽちも思わない。みんな、そうなんだろうな。俺の見知っている人が亡くなると「あぁ人ってやっぱ死ぬんだ」と気づく。仕事に間に合うように起きて、いつもの電車に乗って職場に行き、滞りなく仕事をこなして帰ってくる。下らんことに悪態をつき、上手くいかなかったことに腹を立て、生きていることに感謝なんかしない。

 親友が死んだ。友人が死んだことは今までなかった。家族は見送っている、友人と呼べるやつを見送るのは初めてだ。ガキの時分から一緒に遊んでいて、多感な時期、金も使わず、一緒にいるだけで楽しかった、兄弟を失う悲しみを始めに味わった、お前らしかった結婚式、俺たちの中ではじめに家族を持ち、それでも途絶えることなく俺たちと時間を共有してくれた。語り始めると限がない、掛け替えのない俺たちの時間だ。

 待ち合わせの時間、必ず先に着いていて、ニコニコ笑いながら「よっ!」と声を掛ける。もうその声も笑顔も見れんのか。おふくろが以前言っていた「人が一人いなくなるって大変なことなんだ」

 この世から消えちまった、世界のどこを探してもいない。俺の知り合いがいなくなると、必ず自問する。「いったい、どこに行っちまったんだ」

 俺の中には、後悔だけだ。何故、みんなを集めなかったのか、仕事が忙しかったから、疲れていたから、家族との時間を作っていたから、理由はいくらでも作れる。集めりゃ良かったんだ、ごめんよ。お前を知っているヤツは、最高の友だったというだろう。

 

PS、おふくろに会ったか?多分、来ちまったことに小言いうだろうが温かく迎えるだろう。俺たちも順番にそっちに向かう、誰が先に行くかは分からないけれど、待ってろよ。

裕也、力也、ジョーを呼ぶぞ!

 コロナも治ったが、コロナ後遺症なのか咳が止まらず、ゲホゲホ言っておるよ。いやぁ電車に乗るとゲホゲホいっておるヤツが沢山おる。咳の仕方を見るとコロナに感染しておるか一発で分かる。コロナに罹ったことがあるヤツは、みんな「おぉお前も罹ったのか」っと思っておるであろう。
 そんな病み上がりの中、ビリー・ジョエルの来日が決定しているのに俺が静かだなぁっと思っているであろう。もちろん、裏で着々とやっておるよ!16年ぶりで1回しか公演がないから高いであろうとは思っておったけれど、VIPSSが10万円ときている!!その下が5万円だ!只のS席でも24000円だ!野郎ぉ足元見やがって。イタコに頼んで、内田裕也と安岡力也、ジョー山中を呼び出して事務所襲撃させるぞ!!

 とりあえず、チケット押さえにゃ観ることは出来ん。少しでも可能性を上げるために入りましたよ、ウドープレミアム会員に。最後になるであろうことは感じるから、VIPS席で抽選に申し込みましたよ!かみさんと二人で観に行くつもりだから10万円で御座います。あとは、祈るのみだ。

こーいう爺に私はなりたい

 去年のグラミーは、ギターソロが入っている楽曲はノミネートされておらんかったらしい。今年は、マネスキンがノミネートされておるから、1バンドはあるってことだ。それにしも時代と共に聴かれる音楽も変わり、作られる曲も変わっちまった。そして曲をまとめてザルで幾らで買うようになっちまった。困ったもんだ。
 確かに80年代も踊らせるためにダンスミックス、ロングバージョン、リミックスetcとあった。今の曲も踊るため、聴き流すため、作業用と音楽に気持ちを込めて聴くわけじゃないんだな。音楽も倍速で聴くんだっけ?世も末だよな。

 そんな中、ジェフ・ベックが死んじまった。3大ギタリストの中で(なんか死語だな)クラプトンがいの一番で死ぬと思っていたんだけれどなぁ、ジミちゃんは内職に忙しいし。クラプトンに関しちゃ、あんなやる気のないギターのどこが良い?と思っている。エディが言っていたが「クラプトンはもっと弾けるくせに弾かないんだ」
 ベックは尖がりまくって、ギリギリのとこでプレイしていた。自分だけを信じて、自分のやりたいことだけをやっていたように思う。出したいときにアルバムを出して、ツアーして「よーく見とけよ、ギターってのはこーやって弾くんだ」と見せつける。あんなカッコいいじいさんどこにもいないよ。

 何十年かして、再びギターがブームになり、誰かがエドワードやベックを見つけ出して、何この人、凄いことやっているよって再評価されるんだろう。結局、良いものは不変さ。

日々

 当たり前ではあるけれど、結婚すると時間を共有することになる。独身のように好き勝手なことは出来ない。でも、うちの場合はそれほど、難しくはない。かみさんと共通する部分があるからだろうなぁ。俺もかみさんも本を読む、趣味は違うけれどな。音楽を聴く、これ又、趣味は違うけれどな、でも、俺の聴く音楽には理解は示しているし、聴いてもくれる。軽いとこじゃビリー・ジョエルは大丈夫だし、ポリスもギリギリ大丈夫。ヴァンヘイレンは微妙だけど、エディが亡くなったときは、心情を分かってくれたしな。映画を二人して観る。この観るっていうのが流行っている映画を見るというレベルではなく、ちゃんと出ている役者を知っておって、その映画について語れるというレベルである。「この人、ほら誰かに似ているよね?」と言われると大概俺が思っている相手を想像しておることが多い。最近だと、「堂安って誰かに似ているよね?」「安藤サクラじぇね」とか。

 それでもすべてが万事、同じような感じってわけでもない。音楽は聴くけれど、俺のようにそこそこ音を出して聴くということをしない。只漠然と音楽を聴くってことをしないからいけないんだろうなぁ、この音どうなってんだ?とか、ここはこーいう風に演奏していたのかとかやっているからいけないんだ。素直なリスナーにはなれない。音楽を聴いておっても、いまだに発見がある。
 エディが亡くなって特集本が出て、「はっはぁそーいうこと」っていうことが多々あった。KISSのクリスティーン・シックスティーンのソロはエディが弾いているらしいということが判明したとき、CD引っ張り出して聴いたもの!確かに言われてみっとエディっぽい。ジーンがデモテを作ると騙してエースが弾いたようにしきりに「ゆっくり弾けゆっくり弾け」と指示を出したのには笑った。
 あと、ボーカリストに合わせてチューニングを変えていたというのも驚いた。チューニングメーターなんて必要なかったんだろうな、その場でチューニングを変えていたらしいからな。こーいうのを聞くと、音楽って感性なんだって改めて思う。理屈じゃない、感覚!

 かみさんいないとき、起きてから好き勝手にCDのターンテーブルに置いて聴きまくっている。良い音で聴く音楽ってやっぱ最高だ!イヤホンでぷりぷり聴いたってしようがない。ロックと言われるもんは音出してなんぼでしょ?

 今何聴いているかって?イーグルスの「ならず者」を聴いてますよ。レコードを持っていたけれど、一番盛り上がるとこで針飛びしやがるから難儀した。CDで聴いててもそん時の箇所になると頭の中で針が飛ぶわな。ちなみに俺は、ドン・ヘンリーじゃなく、グレン・フライジョー・ウォルシュです。

3年ぶりのレース

 昨日のレースは、散々たる結果になった。色々俺にとって苦手とする条件が重なった。まず、思っていた以上に暑かった。初見のレースだった。初めての走り方を実践した。練習不足。前半から気持ち悪かった。だったとしても最善を尽くしたか?と言われると返答に困る。15キロ越えたところで猛烈な膝痛で撃沈した。初めてのリタイヤだ。歩いてでもゴールすることは可能だったんだけれど、それをやると仕事が出来なくなる。膝痛のまま走る続けると、好転することはないし、痛みが消えるまで時間が掛かる。
 色々な反省点があるレースだった。こーいうレースは、次のレースに課題を与え、それを消化するには、どうしたら良いか?という問いを俺に与えてくれる。ある意味で、良いレースなのだ。

 良いレースは、その結果に満足してしまって、それだけで終わってしまうんだ。大概、良いレースをした次のレースはあんまよろしくない結果を出す。

 3年ぶりだったということもあるけれど、それでも気持ちとしては、落ち込むよな。大会関係者に「すいません、膝が痛いので棄権します」と告げるのは、何とも言えん気分だ。膝は激痛で、脇によって痛みが少しでも治まるを待った。いやぁそのまんま痛みで帰れねぇんじゃねえかと思えるほどに痛かった。

 今日は、とりあえず、歩けるほどには回復した。これから夜勤だ。次のレースに向けて気持ちを改め準備だな。当然、次は、今回失敗したすべてを修正するつもりだ。